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企業防災に必要なグッズリストを紹介!保管方法や備蓄の注意点も解説

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企業防災に必要なグッズリストを紹介!保管方法や備蓄の注意点も解説

「オフィスに防災グッズを保管したいけど、最低限、何が必要なのかわからない」
「どの程度の量の防災グッズを備蓄しておけばいいのだろう」

企業のオフィスで防災グッズを保管・備蓄する際には、このようなお悩みが挙げられると思います。本記事では、企業の安全配慮義務について解説した後に、企業防災に必要な防災グッズリストをご紹介します。併せて、防災グッズの保管方法や備蓄における注意点も解説するため、企業の防災担当の方はぜひ参考にしてみてください。

企業には従業員の安全配慮義務が課せられている

2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など、島国である日本は地震をはじめ、大災害に見舞われるリスクは決して少なくありません。万が一にでも大災害が発生してしまった場合に備え、企業は従業員の安全を確保する「安全配慮義務」が課せられています。

安全配慮義務と関連する法律として、企業(使用者)と従業員(労働者)の労働契約に関する基本的な事項を定める労働契約法が挙げられます。20083月より施行された労働契約法の第5条には、労働者の安全配慮について下記のように記されています。

【使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする】

また、企業の安全配慮に法的責任が認められた事例としては、東日本大地震での出来事があります。
津波により、宮城県にある自動車学校に通っていた教習生24人と職員1人が犠牲になり、遺族が安全配慮義務違反や過失があったとして、自動車学校を経営する企業と役員に対し損害賠償を求めました。その結果、仙台地方裁判所の第一審判決では、自動車学校に対する安全配慮の法的責任が認められました。

いつ、どのような形で災害に見舞われるのかを予測するのは非常に困難です。しかし、どのような場合においても、企業は従業員の安全を配慮した経営を行わなければなりません。

各都市の条例における防災グッズの備蓄について

労働契約法では「防災グッズの備蓄義務」を企業に課している訳ではありません。しかし、防災グッズをオフィス内に備蓄することで、結果的に従業員の安全を守ることにつながります。そのため、防災グッズの備蓄は企業にとっても必須といえるでしょう。
なお、各都市の条例では、企業の防災グッズの備蓄を努力義務として定めているケースがあります。

【東京都:東京都帰宅困難者対策条例(第十七号)】事業者に従業者の一斉帰宅の抑制と従業者の3日分の食糧等の備蓄についての努力義務を課します。

【大阪府:事業所における「一斉帰宅の抑制」対策ガイドライン(第2章 平常時の取組み)】従業員等の一斉帰宅により救助・救急活動の妨げとならないよう にするため、発災後3日間は企業等が従業員等を施設内に待機させられるよう、備蓄量の目安は最低3日分とする。

【福岡県:福岡県備蓄基本計画(第2章 第3節 事業所)】事業所は、従業員等の3日分以上の飲料水、食料や生活物資の備蓄に努める。

これらは努力義務のために、遵守しなくとも企業側に罰則はありません。しかし、万が一に備えた従業員の安全確保や安全配慮の観点からも、災害時に従業員全員が数日間は最低限の避難生活ができる量の防災グッズを一通り揃えておくことが望ましいでしょう。

防災グッズは最低でも3日分は備蓄する

上記の各条例では、飲料水や食料などの防災グッズは「最低でも3日分」の備蓄が求められています。従業員1人あたりの備蓄品を単純計算すると、飲料水13L×3日間で6L、食料13食×3日間で6食分となります。あくまで参考程度ではありますが、この量を目安に従業員の人数分の防災グッズを備蓄しておきましょう。

企業に必要な防災グッズリスト

防災グッズと一言にいっても、食料品から防寒具、医薬品など、さまざまな種類があります。ここでは、企業防災として最低限に必要な11項目の防災グッズをそれぞれ紹介します。

飲料水・備蓄水

飲料水はペットボトルに入っているものが主流です。人が1日に飲む水分量として3Lを目安に備蓄するといいでしょう。一般的なペットボトル飲料水の賞味期限は23年ですが、備蓄用の飲料水は510年と、長期間でも保管できるものもあります。

非常食・携帯食・備蓄食

水だけで調理できるアルファ化米、すぐに食べることのできるクラッカーや乾パン、レトルト食品、缶詰などが代表的な非常食です。1人あたり13食を目安に備蓄しておきましょう。キャンディーやお菓子など、高カロリーで簡単に栄養補給ができる食品を備蓄しておくのもおすすめです。

簡易トイレ

災害時に深刻となる問題の一つが、トイレ不足です。人は1日に最低でも5回はトイレで用を足すとされています。つまり、最低でも15回分の簡易トイレを確保しなければなりません。トイレの頻度は年齢を重ねるごとに増えていく傾向にあるため、余裕を持って110回分の簡易トイレを3日間分備蓄しておくと安心です。

ティッシュ・ウェットティッシュ・ボディーシート

ティッシュペーパーはさまざまな場面で有効利用できますので、必ず用意しておきましょう。また、断水により貴重な水が使えないこともあるため、ウェットティッシュやボディシートの備蓄がおすすめです。水を使えなくてもウェットティッシュやボディーシートを活用すれば、身体を清潔に保てます。

救急用品セット

災害時、医療機関には多くの人が溢れかえる可能性が高いです。その中で、症状が比較的軽い方は、なかなか診てもらえないこともあります。解熱剤や胃薬、包帯、消毒液など、応急処置のできる救急用品セットは必ず用意しておきましょう。

モバイルバッテリー

現代社会では、ほとんどの人がスマートフォンを持っています。災害時にはネット回線の混雑が予想されますが、なかにはネットに繋がなくても使用できる防災アプリがあり、災害時にもスマートフォンは役に立ちます。
スマートフォンの充電を確保するためにも、従業員の人数分のモバイルバッテリーを用意しておくといいでしょう。

毛布・カイロ

毛布やカイロなど、寒さから身を守る防寒具は必須です。特に、冷え込む季節は寒さによって体力や気力を奪われてしまいます。毛布は最低でも、11枚は確保しておきましょう。

防災ラジオ

被災後、テレビやインターネットがつながらずに災害情報を収集できないことも考えられます。そのような場合を想定し、どのような状況下でも使える手回し充電タイプの防災ラジオは用意しておきましょう。

防災ヘルメット・軍手

移動や避難をしている際に、建物の倒壊によって頭上から物が落ちてくる可能性があります。打ち所が悪いと命を落とす危険性もあります。頭を守るヘルメットや防災頭巾、避難や救助時の怪我防止のための軍手、手袋などは、最低でも従業員の人数分は用意しておきましょう。

防災ライト

停電により、暗闇の中を避難しなければならない場合も考えられます。移動中の安全確保のためにも、防災ライトや懐中電灯を用意しておきましょう。ライトは、電池不要で使える手回し充電式や両手を自由に使いやすいヘッドライトなどがおすすめです。

ブルーシート・ビニールシート

ブルーシートやビニールシートは敷物として使用する以外にも、屋外でのテントや雨よけとしても有効に活用できます。

企業オフィスにおける防災グッズの保管方法

従業員の人数分の防災グッズを揃えるとなると、企業によっては広い面積を確保した保管スペースが必要になることもあるでしょう。オフィスの貴重なスペースを有効利用した防災グッズの保管方法を紹介します。

キャビネットや棚の空いている隙間に保管する

防災グッズの保管専用のキャビネットやオフィス棚の少しの隙間にまとめる方法は、それぞれのスペースに小分けして保管できるという特徴があります。キャビネットの場合、それを置くスペースは必要になりますが、「キャビネットに防災グッズがある」ことを事前に従業員へ周知することで、緊急時に従業員が防災グッズをすぐ手に取ることができます。

ビルのようなフロアが多いオフィスでは災害時にエレベーターが停止する事態も想定し、各フロアに防災グッズ保管専用のキャビネットを設置しておくといいでしょう。

空き部屋や倉庫にまとめる

オフィス内で使用していない部屋や倉庫に保管することで、防災グッズをまとめて管理しやすくなります。ただし、平常時はなかなか立ち入ることもないために、災害時における転倒対策が行われていない場合があります。普段使用していない部屋や倉庫を活用する場合には、地震などでの転倒対策ををしっかり行うとともに、定期的に備蓄品を見直すことが必要です。

従業員のデスクに設置する

事前に従業員へ防災グッズを配布し、自身のデスクに設置してもらうことでオフィスのスペースを有効利用できます。なかでも、防災用ヘルメットや軍手は棚に保管するよりも、従業員のそばに設置しておく方が、災害時にすぐに手に取って自身の身を守りやすいでしょう。

企業が防災グッズを備蓄する際の注意点

防災グッズを一通り揃えても、長らく使用されない場合があります。ヘルメットや軍手のような使用期限がないものはそれでも問題ありませんが、非常食、飲料水などの食料品には消費期限が存在します。

「消費期限が大幅に過ぎてしまい災害時に食べることができない」のような状況を事前に回避するためにも、防災グッズを備蓄する際の注意点をしっかりと把握しておきましょう。

ローリングストック法で無駄な消費を防ぐ

非常食や飲料水などの食料品には、必ず消費期限があります。従業員の人数分の食料品を揃えても、消費期限が過ぎてしまっては処分せざるを得ず、大きな損害となります。そのため、防災グッズの食料品は数年に一度、消費期限のチェックを行うといいでしょう。

チェックの際には、無駄な消費を最小限にする工夫としてローリングストック法の活用が挙げられます。ローリングストック法とは、備蓄した食料品を古いものから定期的に消費し、消費した分と同じ量だけ新しいものを買い足す管理手法です。

ローリングストック法を活用することで、消費を抑え、なおかつ常に一定量の防災グッズを備蓄することが可能です。消費期限が近い食料品は防災訓練や防災研修で消費するといった活用法もおすすめ。訓練や研修で食料品類を実際に取り入れることで、より被災したときのシチュエーションに近い形で実施できます。

消耗品は多めに備蓄することでコストを抑える

飲料水やティッシュペーパーなどの消耗品は、災害時を見越して多めに備蓄しておくといいでしょう。常日頃から消費されるので、多めに備蓄しても無駄にはならず、災害時でも有効に活用できます。常時備蓄するために、費用や保管スペースなどのコスト面も抑えることにつながります。

まとめ

従業員の安全配慮は企業に課せられた義務です。そして、防災対策もまた、従業員の安全を守るためには欠かせません。災害は、いつどこで発生するかわかりません。万が一の事態に備えて防災グッズを備蓄し、定期的に管理を行うことが、従業員の安全を守ることにつながります。

防災グッズの保管や備蓄における注意点をしっかりと把握することで、無駄なく防災グッズを管理することができます。ぜひ本記事を参考に、オフィス内での防災グッズの備蓄や管理を実施してみてください。

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