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防災における「自助」、「共助」、「公助」の必要性

あるぱか あるぱか
防災における「自助」、「共助」、「公助」の必要性

20209月、みなさまもご存じの通り、第99代内閣総理大臣として菅義偉首相が就任しました。

菅首相が目指している国づくりの方針でも、「自助」「共助」「公助」がよく語られていますが、もともと、「自助」「共助」「公助」は防災の分野で広まった言葉です。

今回は、防災において「自助」「共助」「公助」がなぜ重要なのかを紹介していきます。また具体的な事例もご紹介しますので、防災の基本的な考えを知りたい方はぜひ確認してみてください。

防災における「自助」「共助」「公助」について

「自助」「共助」「公助」という言葉はよく耳にするけれど、そもそもどんな意味を持つ言葉なのかよくわからない。そういった方もたくさんおられるかと思いますので、ここでは言葉の定義や、なぜ防災において「自助」「共助」「公助」が重要なのかをご紹介させていただきます。

【「自助」「共助」「公助」とは】

  • 「自助」

自らの命は自らで守る。自分の大切な人や家族を守るために、日頃から災害に備え、備蓄を整えたり、災害時には避難したりすることを指します。

  • 「共助」

周りの人たちと助け合う。自分や家族の身の安全を確保できた後に、地域の災害時要援護者(高齢者や心身障害者など災害時に手助けが必要な方々。)の避難の協力や、地域の方々と消火活動を行うことを指します。

  • 「公助」

公的機関による支援。国や市役所、消防、警察、自衛隊などが行う救助活動や支援物資の提供などを指します。

なぜ防災において「自助」「共助」「公助」が重要なのか

なぜ防災において「自助」「共助」「公助」の3つの考えが重要なのか。それは、「公助」には限りがあるからです。広域的な大規模災害が発生した場合に、「公助」を担う行政機関も一般の方々と同じように被災者となります。

実際に阪神淡路大震災では、生き埋めや閉じ込められた際の救助主体の約7割弱が家族を含めた「自助」、約3割が友人や隣人などの「共助」によって助けられています。救助隊などの「公助」により救出された方はわずか数%ほどに過ぎませんでした。また、無事に命が助かったとしても、ライフラインの復旧に時間がかかるケースや、救援物資が満足にないケースもあるので、「公助」任せにしないということが重要です。

だからこそ、防災においては自分や大切な人の命は自分たちで守る。地域一体となってみんなで助かる。そういった考えを前提に備えをしていくことが大切です。

内閣府:平成30年版防災白書|第1部 第1章 第1節 1-1 国民の防災意識の向上

具体的な「自助」「共助」「公助」の取り組み

 「自助」「共助」「公助」の言葉の定義やなぜ重要なのかについては、先ほどご説明させていただきましたが、実際にどんな備えが必要なのか、どういった取り組みが行われているのかをご紹介させていただきます。 

「自助」の取り組み

自分自身や大切な人の身の安全を守るための必要な備えをご紹介させていただきます。ぜひ明日からの備えの参考にしてみてください。

自助の現状

内閣府の調査によると、大地震に備えて食料や飲料水、日用品などを準備している方は45.7%、家具類の転倒・落下・移動防止を実施している方は40.6%という状況です。今後、大規模な災害が発生したときに、自分自身や大切な人の身の安全を守るために、しっかりと対策をしていくことが重要です。

必要な備えとは

  • 家具家電の転倒・落下・移動防止

地震による怪我の多くが家具類の転倒・落下・移動によるものです。まずはお部屋の家具類を見渡して、配置の確認をしてみてください。特に寝室は注意が必要です。寝ている時が一番無防備になるため、転倒した時に怪我をする家具類がないかを確認してみてください。また扉の近くに家具類があり、転倒や移動により逃げ道がなくなるケースがあるので、注意してください。

配置を確認したら、大型家具類の固定や扉の固定を行います。また背の高い家具類の上に物をのせていないかというところも合わせて確認しましょう。ガラス扉には飛散防止フィルムなどを貼っておくとより安全です。 

  • 備蓄品

大規模災害が発生すると、ライフラインの復旧に時間がかかります。東日本大震災では、ライフラインが通常の9割に復旧するまで、電気は6日、水道は24日、ガスは34日ほどの時間がかかりました。

備蓄の目安としては家族の人数×3日~7日分の備蓄が必要です。水は飲料水や生活用水としても活用するので、1人あたり13リットル用意しましょう。また意外に困るのがトイレです。水道が止まるとトイレの使用ができないケースもあるので、簡易トイレを用意しておくと便利です。1日の目安としては最低限1人あたり15回分程度の簡易トイレが必要になります。

食料備蓄は長期保存食がおすすめです。ただ大量に用意することが難しい場合は、普段から食べるものを少し多めに買っておく、ローリングストックを意識しましょう。多めに買っておき、使った分だけ買い足していくことで、無理なく食料を備蓄することができます。

「共助」の取り組み

自分自身や大切な人の身の安全が守れたら、地域の方同士の助け合いが重要になります。実際にここでは「共助」の例をご紹介させていただきます。

釜石市の奇跡

多くの被害を出した東日本大震災ですが、岩手県釜石市の小中学校では生徒の9割以上が助かりました。これは、地域での防災教育が実を結んだからだと言われています。「想定にとらわれるな」「最善をつくせ」「率先避難者たれ」という津波避難の3原則を小中学生が自ら率先して行い、地域の高齢者の方も含めて、避難を呼びかけ多くの犠牲者を減らすことができました。 

ITを活用した常総市のまちづくり

20159月に関東・東北豪雨災害で甚大な被害を受けた茨城県常総市の根新田町内会では、災害に強いまちづくりを行っています。この地域では町内会が独自でSNS一斉配信システムを導入しています。そのため町民の情報共有手段が確立されており、災害による被害を減らすことに成功しました。また防災への新たな取り組みとして、現在では河川の状況確認のための防災用ライブカメラの設置、周囲の方に自身の安否状況を伝える黄色いタオルの導入など様々な取り組みを実施しています。

「公助」の取り組み

避難所について

避難所は市区町村が地域防災計画をもとに設定しています。避難所と聞くと安全な場所、逃げれば何とかしてもらえる場所というイメージが強いですが、避難所の状況は地域によって異なります。地域ごとに避難所の備蓄量やスペースも異なり、避難所の環境には地域ごとに大きな差があります。

また近年発生が予測される首都直下地震などの大規模災害においては、避難所の数が足りなくなる恐れがあります。東京都では20184月現在で、約3,000か所の避難所があり、収容人数は約317万人ですが、東京都の人口は約1,300万人、昼間人口は約1,600万人です。避難者や帰宅困難者が大規模災害ではかなり増加するため、「公助」に頼り切らない「自助」「共助」の取り組みが大切です。 

まとめ

今回の記事では、防災において「自助」「共助」「公助」とはどういったものなのか。またなぜ大切なのかということをご説明させていただきました。災害を他人事にせず、自分事として捉え、大切な方の身の安全を守れるように常日頃から備えをしていくことが大切です。

あるぱか
この記事を書いた人
あるぱか

学生時代から東日本大震災をはじめ、全国各地で災害が起こる度に、災害救援に赴く。現在は「日常の中に当たり前に防災意識を」という考えのもと、防災事業の立ち上げを行う。事業内容は防災をおしゃれに、もっと身近に感じられる機会を提供するための防災カタログギフト制作を行いつつ、防災系記事の執筆も担当。

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