仕事は一人でするものではありません。一つのプロジェクトに対してチーム一丸となって取り組むもの。それは防災対策に取り組む場合も同様です。
理想的なチーム作りにはチームビルディングが重要です。しかしなかには業務を円滑に回すためのチーム作りに難しさを感じる方もいるかもしれません。
そこで今回は、防災に関する知識を身につけながらチームビルディングができる防災イベントをご紹介します。防災イベントをチームビルディングに貢献するイベントとして活用してください。
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チームビルディングの概要
チームビルディングとは、メンバーが一致団結して共通のゴールに向かっていく力のこと。
チームビルディングに関する有名な理論に、心理学者のタックマン氏が1965年に提唱した「タックマンモデル」があります。
チーム形成から目的達成までを5段階に分類し、各段階をクリアしていくことでメンバーが自発的に能力を発揮できる理想状態に達するというモデルです。
- 形成期
形成期はチームが招集された段階です。メンバー同士がまだお互いをよく知らず、自分の役割も理解できていません。
この段階では、親睦会を開くなどメンバー同士のコミュニケーション量を増やし相互理解を深めることや、リーダーがプロジェクトの到達点を明示して各々の役割を理解させることが重要です。
- 混乱期
混乱期は、仕事の進め方で意見の対立が生じる段階です。問題解決のためには、質の高いコミュニケーションによるメンバー同士の相互理解を要します。
リーダーは、メンバー全員で課題解決へのアプローチに取り組める方向に誘導することがリーダーの仕事です。混乱期をクリアできればより強いチームへと醸成されていきます。
- 統一期
統一期は、チーム内で目指すべき方向性が一致し、各々の役割や認識が共有できた状態です。リーダーは、チーム内でサポートしあえる環境を整え、混乱期に逆戻りしないよう注意する必要があります。
- 機能期
機能期は、チーム内の結束力が高まり、お互いにサポートできるような状態です。チームとしてのパフォーマンスが最も高い理想的な状態だといえるでしょう。リーダーはメンバーをサポートしつつ、細かい指示はできるだけ控え、個人の自発性を尊重するよう促します。
- 散会期
目的達成によりチームが解散する時期です。成長したメンバーは次のプロジェクトへと移っていきます。
チームビルディングができる防災イベントを5選紹介
チームビルディングと同時に社員の防災に関する意識や知識も高められると企業から注目されているのが、次のような「チームビルディングができる防災イベント」です。
防災運動会
防災運動会は、体を動かしながら防災の知識を身につけるための運動会です。
災害を「事前準備」「災害発生」「発生直後」「避難生活」「生活再建」の5つのフェーズに分類。各フェーズに応じた防災クイズや瓦礫運びリレーなどの競技を体験できるので、防災に対して興味がなかった方でも、楽しみながら災害時に役立つ知恵が身につきます。
防災は地域との関連性が強いので、競技内容を調整した「地域密着型オリジナル競技」もOK。結果、災害対応力をワンランクアップでき、防災イベントしての価値も高まります。
なお、防災運動会の各競技前には作戦タイムが与えられ、参加者同士で議論してから競技に臨めるのもポイント。必然的にコミュニケーションが増えるので、チームビルディングにも役立ちます。防災運動会の資料ダウンロードはこちら
おうち防災運動会
防災運動会には、「おうち防災運動会」という自宅でできるバージョンもあります。インターネット環境とデバイスがあれば、遠方のメンバーとチームを組んで、それぞれの自宅で行うことが可能です。
「おうち防災運動会」も防災運動会と同じく、参加者同士で競いながら防災意識を更新できます。たとえば、プログラムの一つである「自宅内の非常食を集める競技」は、非常時の命綱となる食糧の在庫確認になります。
チームビルディングをしながら自宅における非常時の対応力を考えることができ、防災意識の向上に繋げられるので一石二鳥といえるでしょう。おうち防災運動会の資料ダウンロードはこちら
防災謎解き
防災に関する問題を解きながらゲームをクリアし、ゴールを目指すゲームです。
特徴は、災害が起こって会議室などに閉じ込められたという想定で密室からの脱出を目指すというストーリー仕立てであること。制限時間内にクリアしなければならない緊迫感とゲームの楽しさの両方を兼ね備えているのが魅力です。
オンラインでも実施可能なので、企業向けの他に、家庭向け、親子向けのプランなど幅広いプランがあり、子どもも含めた家族全員で防災意識を共有することにも向いています。
防災運動会と同じように、こちらもメンバー同士のコミュニケーションが必要なので、チームビルディング目的にもぜひ活用してください。
防災ヒーロー入団試験
防災ヒーロー入団試験は、体と頭を使いながら、防災に関する知識を身につけられるアクティビティです。
防災への知識や興味が乏しい子ども向けのイベントで、種目は新聞紙でできる防災スリッパ作りや防災クイズラリーなど、災害時に即戦力となる知識を身につけることができます。
災害時は子どもの安否が気になるもの。子どもと防災の話題でコミュニケーションをとれば、もしものときの心構えが養えます。「災害時にはこう動く」という家族のルールを増やせば、災害発生時の対応もしやすくなるでしょう。
施設の滞在時間を伸ばせる防災イベント!?防災ヒーロー入団試験!
防災クッキング
防災クッキングは、災害時に活用できるクッキング方法を学ぶイベントです。
災害時にはコンロなどが使えなくなることが想定されます。事前にカセットコンロやガスボンベを用意しておくだけでなく、何回か使ってみて慣れることも大切です。
また災害時には水が手に入りにくくなり、貴重な飲料水で料理をしなければならなくなることもあります。食器や調理器具などを洗う水も節約しなければなりません。
防災クッキングに参加すれば、茶碗にラップやビニール袋をかぶせて食事をするなどの節制術などを勉強できます。他にも、炊飯器を使わずにご飯を炊く方法や、限りある材料で美味しく調理する技など、災害時にこそ役立つ知識を習得できるのでおすすめです。
チームビルディングは災害が起こったときに役立つ
チームビルディングのスキルは、仕事のみならず災害発生時にも大いに役立ちます。
たとえば大規模な災害が起き、避難所に住民が集まった状態を想像してみてください。顔見知りが多いとはいえ、全員とすぐに打ち解けるには時間がかかることもあるでしょう。
したがって、避難者同士の団結力を高めて問題解決に向かっていかなければなりません。
チームビルディングの心得があれば、地域住民同士のコミュニケーションを促し、各々の役割と価値観を共有し、生活再建に向けて立ち上がることに役立ちます。
防災とは、一人や一家庭のみで成り立つものではありません。地域全体が一丸となって災害を乗り越えていく様子は、仕事においてプロジェクトチームが目的達成のために動くことに似ています。どちらもメンバー同士のコミュニケーションによる情報共有が重要です。
まとめ
今回ご紹介した防災イベントは、どれもメンバー同士の繋がりと情報共有が重要です。そのため必然的にコミュニケーション量が増え、チームビルディングに貢献してくれます。
災害は、いつなんどき襲い掛かってくるかわかりません。しかし備えさえあれば、速やかに命を守る行動ができます。
チームビルディングと防災知識や意識の両方を会社に浸透させたいという方はぜひ、社員と参加されてみてはいかがでしょうか。
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「やらないと」から「やってみたい」と思える防災へ。防災を楽しく学べるイベント「あそび防災プロジェクト」の発案者。防災運動会をはじめとした様々なサービスを考案。企業や自治体、商業施設での防災イベントの実施や、「世界防災フォーラム2019」「防災アイディアソン BOSAI Startups in Japan」へ登壇。「あそび防災プロジェクト」は2020年グッドデザイン賞を獲得した。