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企業防災とは?取り組みの実態、災害の種類、必要な備えを解説

ともしど ともしど
企業防災とは?取り組みの実態、災害の種類、必要な備えを解説

日本は地震や大雨などの自然災害が発生しやすい国です。企業には社員に対する安全配慮義務があり、安全確保や事業継続のための準備を行う必要があります

今回は、企業防災とは何か、企業の取り組みに関する実態、防災の種類、災害発生時のために必要な備え、災害発生時の防災マニュアル作成手順を紹介します。

 

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企業防災とは

企業防災とは、災害発生に備えて企業が行う防災や事業継続に関する災害対策を意味します。以下の通り、労働契約法の第5条で企業には法的に安全配慮義務が定められています。

使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

出典:労働契約法 | e-Gov法令検索

また、内閣府が公開している「防災基本計画(p.18)」によると、企業が災害時に果たす必要がある役割は、「生命の安全確保」、「二次災害の防止」、「事業の継続」、「地域貢献・地域との共生」と定められています。企業はそれらの役割を認識し、リスクマネジメントに努める必要があります

防災観点・事業継続観点の企業防災

企業防災は2つの観点から行う災害対策に分けられます。

  • 防災観点
  • 事業継続観点

企業には社員の安全に配慮する義務があり、また災害が発生したあとにも事業を継続的に行う必要があるため、防災観点・事業継続観点の災害対策が必要です。

防災観点

防災観点の企業防災は、安全確保、備蓄品、安否確認などに関する対策で、個人が被災した際のための災害対策に関する観点と近しい意味をもちます

事業継続観点

事業継続観点の企業防災は、被災後に早急に復旧し、事業を継続するための観点で行う災害対策を意味します。事業継続のための対策としては、BCP(事業継続計画)の策定」が挙げられます。

BCP(事業継続計画)の策定に関しては、内閣府が「事業継続ガイドライン-あらゆる危機的事象を乗り越えるための戦略と対応-(令和3年4月)」を公開しています。BCP(事業継続計画)は基本的に自然災害が対象になりますが、同様に事業の中断につながる可能性がある大事故、パンデミックなどにも適用できる場合があります。

企業防災の取り組みに関する企業の実態

大企業・中堅企業・その他企業について、企業防災に関する調査結果(令和3年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査 – 内閣府(PDF))を内閣府が発表しています。

企業の取り組みに関する調査結果を以下で紹介します。

BCP(事業継続計画)の策定状況

令和3年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(p.6)」によると、企業のBCP(事業継続計画)に対する関心を示す値として、策定済み・策定中・策定を予定している(検討中を含む)の合計値に関する平成19年度(2007年度)から令和3年度(2021年度)への変化は以下の通りです。非常に多くの大企業・中堅企業がBCP(事業継続計画)に関する取り組みを行っていることがわかります

大企業

  • 策定済み:18.9%→70.8
  • 策定中:16.4%→14.3
  • 策定を予定している(検討中を含む):29.1%→11.0
  • 計:64.4%→96.1

中堅企業

  • 策定済み:12.4%→40.2
  • 策定中:3.4%→11.7
  • 策定を予定している(検討中を含む):12.8%→28.2
  • 計:28.6%→80.1

企業防災に関係する自然災害の種類(特徴・対策)

  1. 地震
  2. 津波
  3. 火山噴火
  4. 大雨・台風(水害)
  5. 土砂災害
  6. 竜巻
  7. 雪害

参考:防災の手引き~いろんな災害を知って備えよう~ | 首相官邸ホームページ

自然災害としては上記の7つが挙げられます。

以下で詳しく紹介します。

地震

震度データベース検索によると、2022年に発生した震度1以上の地震は1964回発生しています。また、被害が予想される震度6弱以上の地震に限定すると、2022年には2回(震度6弱:1回、震度6強1回)、2013年から2022年までの10年間で20回(震度6弱:12回、震度6強:5回、震度7:3回)も起こっています。

また、地震は周期的に起こる傾向があり、南海トラフ(西日本・太平洋側)、相模トラフ(首都圏)、千島海溝・日本海溝(北海道~東北・太平洋側)の大地震が20~30年以内に起こる可能性があると指摘されています。

地震が発生した際には、身を守るための行動をとることが大切ですが、周囲の安全にも配慮する必要があります。また、慌てることなく落ち着いて行動することも重要です。地震が発生した際の状況を想定し、対処法に関する知識を得ておきましょう。

地震に関する被害の特徴

  • ビルの倒壊や落下物
  • 電話・インターネット障害
  • 道路の寸断
  • 公共交通機関の運行停止
  • 電気・ガス・水道の停止

地震発生時にとるべき行動

  • 頭を保護して机の下に隠れる(慌てて外にでない)
  • 火の始末をする(離れているときは無理に行わない)
  • 窓やドアをあけて避難路を確保する(安全性が低い場合は無理に行わない)
  • エレベーターなどの脱出が困難な場所にいる場合にはすぐに外に出る
  • ビルの近くなど倒壊や落下物の危険がある場合には離れる
  • 運転中は緩やかに速度を落として安全確認後に停止する

 

津波

大津波警報(3mより高い)・津波警報(1mより高く3m以下)・津波注意報(20cmより高く1m以下)が発令された際には、早急に高い場所に避難する必要があります。津波の高さ予測をもとに警報・注意報が発令されますが、予想よりも実際に到達する津波のほうが高い例も少なくありません

20m以上の高台に避難しても津波に流された例があり、可能な限り高い場所に避難することが大切です。また、津波は第1波が引いたあとにも第2波、第3波がくる例が多くあるため、大津波警報・津波警報・津波注意報が解除されるまでは高い場所にとどまることも重要です。

津波に関する被害の特徴

  • 津波の高さを正確に把握することは難しい
  • 予測数値よりも高い波がくる例が少なくない
  • 20m以上の高さに逃げても流される例がある
  • 第1波が引いても複数回津波がくる

津波発生時にとるべき行動

  • 高い場所(高台・ビルなど)に早急に避難する
  • 可能な限り高い場所に避難する
  • 海岸に近い場合には津波注意報でも避難する
  • 津波警報・津波注意報が解除されるまで高い場所にとどまる

火山災害

噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、火山噴火が発生した直後に被災しやすい特徴があります。また、火山災害は命に危険が及びやすいことも特徴です。時間的な猶予がほとんどないため、事前確認をきちんと行うことが大切です。火山を訪れる前に、噴火警報や避難経路などを確認しておきましょう

とるべき行動については、噴火警戒レベルが指標になります。5段階に分けられており、レベル2では「火口周辺規制」、レベル3では「入山規制」、レベル4は「高齢者等避難」、レベル5は「避難」となります。

身を守るためには噴火警報をいち早く察知できるようにしておくことが大切です。噴火警報はテレビ、ラジオ、スマートフォンなどで知ることができます。スマートフォンの場合には事前にアプリを入れておくことが必要な場合があるため、「気象庁のホームページ」などで確認しておきましょう。

火山災害に関する被害の特徴

  • 火口付近では噴火から被災するまでの猶予がほとんどない
  • 火山現象は噴石、火砕流、溶岩流、火山灰、火山ガスなどがある
  • 命に関わる例が多く対策の重要度が高い

火山災害発生時にとるべき行動

  • 火山付近に訪れる前に事前確認を行っておく
  • 火山現象が発生した際には迅速に避難する

大雨・台風(水害)

台風などが原因で大雨が降ると、洪水や暴風、高波・高潮などの要因になる場合があります。また、川が氾濫したり、土石流、崖崩れ、地すべりが起こったりする可能性もあります。

大雨とは、気象庁によると「災害が発生するおそれのある雨」と定義されています。また、非常に激しい雨は1時間に50mm以上80mm未満の雨、猛烈な雨は1時間に80mm以上の雨を指す言葉です。

川の氾濫などは発生する条件が河川により異なりますので、警報や注意報の情報を得られるようにしましょう。気象庁が発表する洪水警報・注意報や、洪水キキクルなどで知ることができます。

また、大雨が降って川が氾濫した際に、危険箇所を知るためにはハザードマップを確認することが有効です。水害が発生する前に、自宅や職場、よく行く場所などのハザードマップを確認しておきましょう

大雨・台風に関する被害の特徴

  • 台風が原因で洪水、防風、高波・高潮などが起こる
  • 川の氾濫、土石流、崖崩れ、地すべりなどが起こる
  • マンホールや側溝から水があふれる
  • 浸水被害が起こる

大雨・台風発生時にとるべき行動

  • ハザードマップの危険箇所から離れる
  • 洪水警報・注意報や防水キキクルなどから情報を得る
  • 危険箇所を通らないルートで避難場所に向かう

土砂災害

土砂災害は、降雨量が多く地盤が緩み、山や崖が崩れる現象により起こる災害を意味します。崩れた土砂が流れ、人をのみこんだり建物を押しつぶしたりする可能性があり、人命に関わる危険性の高い災害の一つです。

土砂災害防止広報センターによると、降雨量が100mmを超えると土砂災害が起こりやすくなると情報公開されています。ハザードマップを確認し、土砂災害が起こりやすい場所を確認しておきましょう

また、土砂災害警戒情報(災害の危険度)は土砂キキクルで確認することができます。危険度は色で表され、白(今後に留意)、黄(注意)、赤(警戒)、紫(危険)、黒(災害切迫)の順に危険度が高くなります。高齢者の方は赤、その他の方は紫になった時点には遅くとも安全な場所に避難するように呼びかけられています。

土砂災害が起こる際には、以下のような前兆がみられる例が多い特徴があります。

  • 崖や地面のひび割れ
  • 崖や斜面から水がわきでる
  • 川の水が濁る
  • 小石が落ちてくる
  • 樹木が傾く
  • 地鳴り・山鳴りがする
  • 降雨中に川の水位が下がる

土砂災害に関する被害の特徴

  • 崖や地面のひび割れる、水がわきでる、地鳴り・山鳴りなどが土砂災害のサイン
  • 降雨量が100mmを超えた際に起こりやすい
  • 土砂が人や建物をのみこむなど危険性が高い

土砂災害発生時にとるべき行動

  • ハザードマップの危険箇所から離れる
  • 災害危険度や土砂災害警戒情報を確認する
  • 危険な場合は早めに避難する

竜巻

竜巻は、発達した積乱雲ができた際に起こる上昇気流が引き起こす激しい風の渦巻きを意味します。積乱雲が発生した際に起こりやすいため、台風が発生する頻度の高い910月頃に発生数が多いことが特徴です。気象庁によると、2022年の竜巻発生件数は15件です

黒みがかった雲(雷雲)がある、冷たい風が吹く、大粒の雨・ひょうが降るなどの積乱雲が発生した際に起こりやすい前兆があった場合に、竜巻が起こりやすくなります。また、沿岸の地域で起こる例が多いですが、夏には内陸の地域でも発生しやすいと呼びかけられています

竜巻に関する情報は気象庁の竜巻注意情報から確認することができます。

竜巻に関する被害の特徴

  • 発達した積乱雲が発生して地上と上空の気温の差が大きい場合に起こりやすい
  • 910月の発生件数が多いけれどもその他の時期にも起こる
  • 被害は数km~数十kmの範囲に及ぶことが多い
  • 建物の倒壊や車の転倒などを引き起こす

竜巻発生時にとるべき行動

  • 頭を保護してビルなどの頑丈な建物のなかに避難する
  • 窓ガラスが割れる恐れがあるため近づかない
  • 室内でも安心せずに机の下などに隠れる

雪害

雪害は、雪に関する災害を意味します大雪に伴う落雪や建物の倒壊などの雪による直接的な被害のほか、除雪中のケガや病気、落雪機の事故、路面の凍結に伴う運転中の事故や歩行中の転倒、レジャー中(スキー、雪山登山など)の事故なども雪害に含まれます。雪害の人的被害の約9割は除雪中に起こる事故で、注意が呼びかけられています

雪害に関する被害の特徴

  • 除雪中の事故が人的被害の約9
  • 除雪中のケガや病気に十分に注意する必要がある
  • 気温が低いなかでの重労働に伴う病気が起こる例がある
  • 車の運転や歩行中の事故・転倒などが起こりやすい
  • レジャー中の事故も含まれる

雪害発生時にとるべき行動

  • 落雪被害を避けるように十分に注意する
  • 除雪作業は複数人で安全に配慮しながら行う
  • 運転中は安全運転を意識してチェーンやスタッドレスタイヤを使用する
  • 気温が低いなかでの激しい運動は控える
  • レジャー中は天候を確認しケガや遭難などに十分に注意する

災害発生時のために必要な備え

令和3年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(p.12)」によると、「被害を受けた際に有効であった取り組み」に関する調査結果の上位5項目は以下の通りです。

  1. 社員とその家族の安全確保
  2. 備蓄品(水、食料、災害用品)の購入・買増し
  3. リスクに対する貴社の基本的な対応方針の策定
  4. 安否確認や相互連絡のための電子システム(災害用アプリ等含む)導入
  5. 訓練(安否確認、帰宅、参集等)の開始・見直し

安全確保・安否確認に関する準備、対応方針・防災マニュアルの策定、電子システムの導入、防災訓練などが重要であることがわかります。災害発生に対する備えとして行うことを検討しましょう

防災に関する企業に必要な備え一覧

防災対策として必要な備えを以下に一覧形式で記載します。

  • 災害時の対応方針・防災マニュアルを明確化する
  • BCP(事業継続計画)の策定
  • 備蓄品(飲料水・食料品・災害用品・初期消火など)の準備
  • 備品や外壁などの倒壊・破損を防ぐための耐震対策
  • 安否確認・連絡手段確保のための電子システム導入や社内周知
  • 災害時の役割(避難誘導・応急救護・情報収集など)を明確化する
  • 各々の社員が担う役割を明確化する
  • 防災訓練の実施

備えを生かす社内浸透について

企業が災害時に適切に対応するためには、対応方針や防災マニュアルを社員に浸透させる必要があります。企業が対応方針やマニュアルを策定していても、実際に行動するのは社員です。きちんと理解し、実際に行動に移せるように準備をしておくことが重要です。

令和3年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査(p.9」によると、大企業89.6%・中小企業89.4%・その他企業85.2%と、「従業員への取り組みへの浸透」に対してもっとも大きな課題感をもっていることがわかります。

従業員に対し、防災・事業継続に関する取り組みを浸透させるには、社員が防災に対して興味・関心をもち、社員自身やその家族が率先して防災対策に取り組むように促進することが大切です。

あそび防災プロジェクトでは、企業向けに運動会や謎解きなどに関連する社内イベントの実施をサポートしています楽しくコミュニケーションを取りながら、防災の大切さを実感することができます。そうして社員の防災に関する関心が高まることで、社員やその家族も自主的に防災対策に取り組むようになることも少なくありません

防災対策には、企業だけでなく、社員自身も取り組む必要があります

防災に関する社内イベント実施に関して、ぜひお気軽にお問い合わせください。

  • 防災運動会
  • 防災ヒーロー入団試験
  • 防災謎解き
  • 防災フェス
  • おうち防災運動会
  • 防災間違い探しオンライン
  • 帰宅困難サバイバル
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災害発生時の防災マニュアル作成手順

  • STEP1:事前準備を行う
  • STEP2:災害発生前の対応についてまとめる
  • STEP3:災害発生直後の初動対応についてまとめる
  • STEP4:安全確保後の業務再開対応についてまとめる
  • STEP5BCP(事業継続計画)を策定する

防災マニュアルを作成する際には、まず事前準備を行う必要があります。「経営層の理解を得る」、「方針の明確化」、「役割の明確化」、「対策範囲の明確化」を行った上で、マニュアル作成を行うことが重要です。

防災マニュアルの作成方法に関しては、以下の記事で詳しく紹介しています。社員の安全確保や事業継続などを念頭に置いて作成しましょう

関連記事:防災マニュアルってどうつくる?テンプレートや具体的な手順もご紹介 | あそび防災プロジェクト

まとめ

企業には防災対策を行う義務があり、方針策定やマニュアル作成を実施するだけでなく、災害発生時に社員の安全を確保できるように事前準備も行っておく必要があります。そのためには防災に関する社内浸透を図ることが重要です。

株式会社IKUSAは年間1000件を超える社内イベントを開催するイベント会社です。防災やSDGsなどの社会課題を解決することを目指し、企業、自治体・商業施設などで防災イベントの開催をサポートしています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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ともしど
この記事を書いた人
ともしど

コンテンツ制作ディレクター/IKUSA編集部ディレクター。東日本大震災で親族が被災し、数日間連絡がとれない恐怖を経験。防災意識が高まり、ハザードマップの確認、ソーラー蓄電池の保守・点検、保存食の備蓄などを意識的に行う。

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