災害は、いつどこで起こるかわかりません。どんな時でもすぐ避難できるよう、さまざまな防災グッズを入れた「防災リュック」を用意しておくことはとても大切です。
本記事では、防災リュックに最低限必要な中身から、女性・子ども・高齢者用の防災リュックに必要な中身まで、それぞれ紹介します。
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防災リュックとは
防災リュックとは、災害時に備えて日用品や食料品などを詰めた、非常用の持ち出し用のリュックのことをいいます。防災セット、防災バッグ、非常袋などとも呼ばれています。
災害はいつ、どこで起こるかわかりませんが、事前に防災リュックを用意しておくことで、万が一の際にもすぐに避難行動へ移ることができます。
また、避難所では、生活に必要なものが十分に届かない可能性も考えられます。救援物資が届くまでの間、生活に必要なものを備えておくと、慣れない避難所での生活も安心できます。
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防災リュックを用意するときのポイント
防災リュックには、貴重品や常備薬、少量の水、衛生用品など、最低限のものだけを入れておきます。なぜならば、あまりにも荷物が多いと、緊急時の避難行動の妨げになってしまう恐れがあるためです。
防災リュックは、基本的には家族一人につき1つを用意します。子どものいる家庭では、子ども用の防災リュックも用意しておきましょう。
防災リュックの重さの目安としては、一般的に男性は15kg、女性は10kg程度といわれています。ただし、あまりにも重過ぎると避難行動に支障が出てしまうため、その人に合った中身を選ぶ必要があります。
家族状況によって必要なものは変わる
防災リュックの中身は、家族状況によって変わります。妊娠中であれば衛生用品や母子手帳など、高齢者であれば介護用品やおむつなどが必要になるでしょう。また、ペットを飼っている場合には、ケージや餌などを用意しておかなければなりません。
家庭事情を考慮しながら災害時を想定し、「自分たちにはどのような備えが必要なのか」をしっかりと考えて用意しましょう。
最低限必要な防災リュックの中身
防災リュックに入れる中身には、さまざまなものがあります。ここでは、防災リュックに最低限入れておくべき17個の防災グッズを紹介します。
1.水
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日本人に適した軟水になっており保存期間も長く防災備蓄の長期保存水としておすすめです。
人間が生きていくうえで、水は必要です。災害時では、水道が止まったり、飲料水が確保できなかったりする可能性も考えられるため、防災リュックには必ず入れておきましょう。
飲料用以外にも、汚れを落としたり、衛生面の保持に使ったりと、水にはさまざまな用途があります。防災リュックに入れる量としては、最低でも500mlペットボトルを3本(約1日分)は確保しておきましょう。
2.食料品
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レトルト食品や缶詰、栄養補助食品など、非常食として日持ちする食品を入れましょう。防災グッズとして、インスタントラーメンやアルファ米が推奨されることもありますが、防災リュックに入れるものとしては、水やお湯がないと調理できない食品よりも、すぐに食べられる食品の方がおすすめです。
3.貴重品
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家の鍵や通帳、財布、印鑑、身分証などの貴重品は、忘れずに持ち出しましょう。災害時にはクレジットカードやスマートフォンアプリが使えない可能性も考えられるため、ある程度の現金も入れておくと安心です。
4.携帯トイレ
災害時では、身の安全の確保の次に直面する問題となるのが「トイレ」です。多少の空腹であれば我慢できるかもしれませんが、生理現象であるトイレを我慢するのは、体にも負担がかかってしまいます。
災害時のトイレ問題としては、水道が止まる、あるいは避難所に人が殺到してトイレが混雑するなどの理由によって、スムーズにトイレを済ませられない事態が考えられます。
そのため、防災リュックには携帯トイレを入れておきましょう。水道が止まったり、避難所のトイレが使用できなかったりしても、トイレを済ますことができます。
5.救急グッズ
包帯や絆創膏、テープ、消毒液などの救急用品や衛生用品を揃えましょう。防災グッズとして、最低限必要な救急用品がセットになった「防災ポーチ」も売られています。一度にまとめて揃えることができるのでおすすめです。
6.常備薬・お薬手帳
救急グッズと合わせて揃えておきたいのが、常備薬やお薬手帳です。災害時に、かかりつけの医療機関から薬を処方してもらうのは難しく、緊急で他の医療機関へ受診することも考えられます。
そのような場合に、常備薬やお薬手帳を用意しておくことで、普段から飲んでいる薬の内容を伝えることができます。
7.衣類・下着
衣類や下着は、最低でも1セット分の予備は入れておきましょう。災害時に自分のサイズに合った衣類や下着を確保するのは難しく、また、同じ衣類を長い間着用することは衛生面もよくありません。
季節によって必要な衣類は変わるため、防災リュックの中身は定期的に見直し、必要な衣類や下着の入れ替えをしておくといいでしょう。
8.懐中電灯
避難中の足元を照らしたり、安全を確保したりと、災害時に電気が止まった場合に役立ちます。電池不要の懐中電灯や、手回し発電機と一緒になった懐中電灯などもあるため、自分や家族が使いやすいものを選びましょう。
なお、電池式の懐中電灯の場合は、しばらくの間使わずに放置すると電池が劣化して使えなくなることもあるため、動作確認を含めて定期的なチェックが必要です。
9.携帯ラジオ
携帯ラジオは、リアルタイムでの災害情報を入手するために必要です。「スマートフォンでも十分」と考える方もいると思いますが、スマートフォンは連絡を取るための重要なツールです。スマートフォンの充電が切れてしまうと、連絡を取ることができなくなってしまいます。そのため、情報収集などは携帯ラジオを使用し、連絡用としてスマートフォンを使用するのがおすすめです。
また、携帯ラジオは、手回し充電機やライト機能が付いているものや、スマートフォンを充電できるバッテリーを備えたものもあり、ラジオ機能以外にも役立てられます。
10.トイレットペーパー
手を拭いたり、汚れを拭き取ったりと、ペーパー類は災害時にも何かと役立ちます。ティッシュペーパーという選択肢もありますが、災害時では水に溶けるトイレットペーパーの方が活用場面は多くあります。
トイレットペーパーを防災リュックに入れる場合には、芯の無いコンパクトなものを選ぶと、荷物もかさばりにくくなるのでおすすめです。
11.軍手
ガラスや瓦礫から手を保護したり、物を掴んだりする際に役立ちます。ただし、薄い生地の軍手だと、ガラスや瓦礫の破片で手を傷つけることもあるため、防災リュックに入れる場合は厚い生地の軍手か、より丈夫な防災用の手袋がおすすめです。
12.洗面用品
歯ブラシや歯磨き粉などの洗面用品は、避難生活中にすぐに手に入らないことも考えられるため、防災リュックに入れておきましょう。荷物に余裕があれば、水が不要なシャンプーなども入れておくと、より衛生面を保持できます。
13.タオル
水や汚れを拭き取ったり、怪我をした際の応急処置に活用したりと、汎用性の高いタオル。防寒や敷物としても活用できるため、最低1枚は防災リュックに入れておきましょう。荷物に余裕があれば、2〜3枚ほど余分に入れておくことで、何かと役立てることができます。
14.携帯用充電器
災害時でもスマートフォンの数々の機能が役立ちますが、充電が切れてしまっては使い物になりません。そのような事態に備え、携帯用充電器(モバイルバッテリー)を防災リュックに入れておくことで、電気が止まってしまった場合でもスマートフォンの充電ができます。
携帯用充電器にはさまざまな容量があり、充電器そのものの大きさや充電できる回数も異なります。なるべく容量が多いものを選んでおくと安心です。
15.雨具・防寒具
レインコートやウィンドブレーカーなどの雨具、防寒具は、特に寒い季節には必需品です。防災リュックに入れる雨具や防寒具は、小さく折り畳めるものを選ぶことで、貴重なスペースを有効活用できます。
加えて、防災用に売られている「折り畳めるアルミシート」も一緒に入れておくと、より万全な寒さ対策になるのでおすすめです。
16.災害用ホイッスル
災害用ホイッスルは、声の届かない場所に閉じ込められてしまった際に周囲の人へ助けを呼べるため、防災リュックに入れておくと安心できるグッズです。また、防犯用のグッズとしても活用できます。
17.ペン・ノート
ペンやノートなどの文具類は、スマートフォンが使えない状況でメモを残したい場合、家族や周りの人たちと情報を共有したい場合などに使えます。防災リュックに入れるメモは、防水タイプの製品を選ぶとよいでしょう。
感染症対策として防災リュックに入れるもの
災害時における感染症対策や、衛生面の保持などに活用できる3つの防災グッズを紹介します。
1.マスク
感染症対策としてマスクは必須です。人が多く集まる避難所での衛生対策やほこり対策に使える以外にも、喉の乾燥防止としても役立ちます。マスクは、ケースに小分けして入れておくか、元から1枚ずつに小分けされているものを選ぶことで、リュック内のスペースを有効に活用できます。
2.手指の消毒用アルコール
水道が使えずに手を洗えないときに、手指の消毒用アルコールが活用できます。また、アルコールをペーパーに塗布して、ものを拭いたりすることもできます。消毒用アルコールは持ち運びやすいように、小さなボトルタイプを選びましょう。
3.ウェットティッシュ
ウェットティッシュは消毒用アルコールと同様に、水道で手を洗えないときの衛生面の保持に活用できます。1パック10枚入りのような小分けのものを、最低でも1セットは防災リュックに入れておきましょう。
女性の防災リュックの中身に追加したいもの
ここでは、女性向けの防災リュックに追加すべき4つのものを紹介します。
1.生理用品
生理用品は、突然の災害時でもトラブルなく使用できるように、普段から使い慣れているものを選びましょう。災害の規模によっては、避難後に物資がすぐには届かない可能性もあるため、数日間分の余裕を持った数を入れておきましょう。
2.サニタリーショーツ
生理用品と同様に、サニタリーショーツも普段から使い慣れているものを選びましょう。こちらも、予備を含めて複数入れておくといいでしょう。
3.中身の見えないゴミ袋
中身の見えないゴミ袋は、使い終わった後の生理用品やゴミを入れるのに役立ちます。また、ゴミ袋にはさまざまな場面で活用でき、防災リュックに入れても無駄になりにくいため、余裕があれば複数枚用意しておくといいでしょう。
4.防犯ブザー
災害時といえども、避難所で犯罪に巻き込まれる可能性は考えられます。防犯や不審者対策として防犯ブザーを所持しておくことで、大きな音を出して周りの人の助けを求めることができます。もし、防災リュックの空きスペースが少ない場合には、防犯ブザーか災害用ホイッスルのどちらかを入れておくといいでしょう。
子どもがいる家庭の防災リュックの中身に追加したいもの
子どもがいる家庭に向けた、防災グッズに入れておくべき9つの中身を紹介します。災害時に必要・不必要な防災グッズは子どもの年齢によっても変わるため、家庭状況を考えながら、防災リュックの中身は定期的に整理しておきましょう。
1.子ども用おむつ
災害状況によっては支援物資が届かないこともあります。子ども用おむつは、余裕を持って数日間分は入れておきましょう。
2.ミルク
ミルクには、キューブタイプの粉ミルク、液体タイプのミルクなど、さまざまな種類があります。防災リュックに入れる場合には、持ち運びやすいものを選びましょう。また、避難所では水やお湯を十分に使用できないことも考えられるため、調乳せずにそのまま飲ませられるミルクも選択肢のひとつとなります。
3.哺乳瓶
哺乳瓶は使い捨てタイプのもの、もしくは哺乳瓶と消毒セットを一緒に入れておくと便利です。使い捨てタイプの哺乳瓶は、消毒や洗浄が不要ですぐに使用できるもの、折り畳めて保管できるものなどがあり、荷物がかさばりにくいといったメリットがあります。
4.離乳食
避難所生活では、離乳食が手に入りにくい可能性もあります。そのため、子どもの月齢に合った離乳食を最低3日分は用意しておきましょう。避難所で十分な調理ができないことも想定すると、そのまま食べられるレトルトパウチタイプの離乳食も便利です。
5.抱っこ紐
子どもを抱えながら避難する際に抱っこ紐があると便利です。ただし、抱っこ紐自体が大きいために、荷物がかさばる原因になることもあります。子どもの年齢によっては抱っこ紐ではなく、首元から下げるネックライトや、迷子防止のハーネスなども防災グッズとして活用できます。
6.お尻拭き
お尻拭きも、子ども用おむつと一緒に余裕を持って用意しておきましょう。ビニール袋も併せて用意しておくと、ゴミ処理までも含めて安心です。
7.子ども用の靴
ガラスや瓦礫などが散らばった地面から子どもの足元を保護する際に必要です。怪我防止のためにも、靴底が厚くてしっかりしている靴を選びましょう。
8.携帯カトラリー
子どもがまだ箸を上手く使えない年齢であれば、使い慣れたスプーンやフォークを携帯しましょう。災害時は、子ども用のカラトリー類を入手できないこともあるため、あらかじめ用意しておくと安心です。
9.おもちゃ
荷物に余裕がある場合には、携帯できるサイズのおもちゃを入れておきましょう。避難所生活を送るうえでの、退屈しのぎや、子どものストレス解消に役立ちます。
高齢者がいる家庭の防災リュックの中身に追加したいもの
高齢者がいる家庭に向けた、防災リュックに入れておくべき4つの中身を紹介します。
1.大人用おむつ
災害の影響で大人用おむつが十分に届かないことを想定し、数日間分は防災リュックに入れておきましょう。おむつ以外に、尿パットやリハビリパンツなど、普段から使用しているものも複数用意しておくといいでしょう。
2.介護用品
杖や保護帽などの介護用品は、避難生活を送るうえでも必要です。新しいものだと慣れるのに時間がかかる場合もあるため、普段から使い慣れている介護用品を備えておきましょう。
3.入れ歯・洗浄剤
入れ歯は、本人用に作られたものでなければ使用するのが難しく、なおかつ避難所生活でもすぐには手に入らないことが考えられます。自分用の入れ歯と合わせて、洗浄剤も入れておきましょう。
4.補聴器
周囲の音が聞こえないことで、避難行動にも支障が出てしまいます。補聴器を使用している場合には、補聴器と併せて電池もセットで備えましょう。
親子で防災を学べる防災アクティビティ4選
災害発生時の備えと併せて、家族で防災意識を高めるとより安心です。年間1,000件以上の社内イベント・研修、地域イベントなどを体験型アクティビティで支援する株式会社IKUSAは、体験を通じて知識・理解を深め、楽しく学べるイベントの企画から運営・撤収作業までワンストップでお手伝いすることができます。
下記では、親子で防災を学べるアクティビティを4つご紹介します。
防災ヒーロー入団試験
防災ヒーロー入団試験は、頭と体を動かしながら防災を学べるアクティビティです。防災の要素が組み込まれた体験を通じて、楽しく防災を学ぶことができ、防災に対する関心を持つきっかけになります。
クリアすると防災メダルがもらえるなど、防災に興味がない子どもにも楽しく取り組んでもらえる仕掛けが特徴です。
資料をダウンロードする災害都市からの大脱出
災害都市からの大脱出は、防災知識を学べる周遊型の謎解きゲームです。謎解きの難易度は小学生でも解けるように設定されているため、親子で謎を解きながら、楽しく防災について考えるきっかけづくりになります。
資料をダウンロードするおうち防災運動会
おうち防災運動会は、運動会ならではの競技を通じて防災を体験できるイベントです。子どもにも楽しく取り組んでもらえる”楽しいにフォーカス”したアクティビティで、家にいるからこそ防災に対して親子でまっすぐに向き合うことができます。
おうち防災運動会の資料ダウンロードはこちら防災フェス
防災フェスは、多様なアクティビティを通じて防災を体験できるフェス型のイベントサービスです。体験にフォーカスした多様なイベントを通じて、大人も子どもも楽しく防災知識を学べます。食べる、見る、そしてオリジナルアクティビティを「体験」することで、1日中楽しく防災に触れることができ、防災に対する関心や理解が深まります。
資料をダウンロードするまとめ
突然の緊急避難に備えて、さまざまな防災グッズを入れた防災リュックを用意しておくことは、自分や家族の安全を守ることに繋がります。防災リュックの中身は、一人ひとり必要なものが異なります。今回紹介した防災リュックの中身を参考に、家族と相談しながら、必要な防災グッズを用意しましょう。
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