東日本大震災、熊本地震などの大災害を受け、人々の防災への意識も高まっています。最近では、従来の防災訓練や防災サービスと比べて、楽しみながら防災を学べるサービスも増えてきました。
そこで今回は、数ある防災関連サービスの中でも、かの有名なコンテストである「グッドデザイン賞」を受賞した8つのユニークなサービスを厳選してご紹介します。
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グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞とは、「デザインによって人々の暮らしや社会をよりよくしていくための活動」として1957年から、公益財団法人日本デザイン振興会により運営されている賞のことです。
形のあるモノ(製品や建築物、ソフトウェアなど)以外にも、アクティビティやレクリエーションのようなサービスまで、有形・無形を問わずにさまざまなものに対して贈られます。
「賞」とありますが、グッドデザイン賞ではデザインの優劣を競うわけではありません。各専門家の審査を通じてモノの新たな発見をし、良いデザインを社会と共有することで、次なる創造へとつなげていくことを目的としています。
企業の製品やサービスがグッドデザイン賞を受賞することで、グッドデザイン賞を受賞したことを示す証「Gマーク」をマーケティングや広報活動などで活用することができます。
また、グッドデザイン賞を受賞することで世の中に自社製品・サービスの認知を広げるとともに企業のイメージアップにも繋がります。そのため、さまざまな企業が受賞へ向けてチャレンジしています。
グッドデザイン賞を受賞した防災関連サービスを紹介
2020年度のグッドデザイン賞では、4,769件の審査対象の中から、1,395件の製品やサービスがグッドデザイン賞を受賞しました。年度ごとに若干の前後はありますが、概ね1000〜1300件ほどの製品やサービスが受賞しています。その中でも今回は、グッドデザイン賞を受賞した防災関連サービスを紹介します。
あそび防災プロジェクト│株式会社IKUSA
「あそび防災プロジェクト」は、株式会社IKUSAによる、遊びの力で防災を変えることをテーマとした取り組みです。【「やらないと」から「やってみたい」と思える防災へ】をコンセプトに、家族で一緒に参加できるような、あるいは、企業が研修や社内交流のために導入してみたいと思えるような防災アクティビティを作ることから生まれました。
あそび防災プロジェクトのアクティビティの一つである防災運動会は、防災を5つのフェーズに分けて一度に体験できるアクティビティとして、企業研修や社内イベントとして導入されています。
他にも、子ども向けの体験型アクティビティ「防災ヒーロー入団試験」、謎解きゲーム「防災謎解き」、など、あそび防災プロジェクトとしてさまざまな防災アクティビティが開発されています。
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時代を反映して、オンライン上でも楽しめる「おうち防災運動会」も企画・運営しています。
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まさかを無くす防災アクション│株式会社福島民報社/株式会社ラジオ福島
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、地元メディアの株式会社福島民報と株式会社ラジオ福島は、災害の「まさかの恐ろしさ」を数々取材してきました。そして、それらの防災知見を用いることで、「まさかをなくす防災アクション」を展開しました。
防災訓練といえば昼に実施されることが多いですが、夜の災害にも備えるべくラジオで暗闇の避難を体験できるように工夫した「夜の避難訓練」や、津波からの逃げ方などの防災知識を新聞を通じて啓蒙する「『津波てんでんこ』啓蒙企画〜ゴンちゃん一家避難する」など、通常の防災訓練・啓蒙活動とは違った活動を通じて、防災意識の向上へと貢献しました。
防災スポーツ│株式会社シンク
株式会社シンクが開発した「防災スポーツ」は、スポーツで楽しみながら防災を学ぶことができる体験型防災アクティビティです。
災害時・災害後それぞれの防災場面で想定されるシーンを、スポーツ競技として体験できる「防リーグ」と、イラストを中心に日常防災を学べる「防トレ」を軸に構成されています。子どもから大人まで、災害に備えるための防災知識を深めることができます。
ごちそうとぼうさい│株式会社博報堂
今では多くの家庭が非常食を備えているといわれていますが、細かな管理までは手が追えずに賞味期限や保管期限が切れてしまっていることもあります。「ごちそうとぼうさい」は、そんな非常食を日常でも活用できるように学び、見つめ直すためのプロジェクトです。
非常食をごちそうにして食べることで、放置されがちな非常食を活用するためのヒントを学べます。無駄のない非常食の管理方法を実践して防災意識を高めることで、いざというときの災害に備えるのです。また、食を通じて子どもからお年寄りまでを繋ぐことで、防災における自助・共助の啓発としても期待できます。
BOSAI POINT PROJECT│BOSAI POINT PROJECT
国内には、店舗やクレジットカードなどで発行される無数のポイントサービスがあります。しかし、「貯まったポイントのほとんどを使用せずに失効していた」なんてことが少なくありません。「BOSAI POINT(ボウサイポイント)」は、そんな各種サービスで余ったポイントを使って寄付を行い、災害に備えることのできる防災サービスです。
専用WEBサイトで会員登録をして対応するポイントを連携することで、ポイントの寄付ができます。一定以上のポイントを寄付することで寄付したユーザーにも非常食や防災グッズが届くなど、双方に特典がある仕組みとなっています。貯まったポイントを使うシーンが少ない方は、これを機にBOSAI POINTへ寄付してみるのもいいですね。
みまもりレシート│株式会社ステッチ
「みまもりレシート」とは、いざというときに役立つ防災情報を裏面に印刷したレシートのことです。普段あまり使用することのないレシートの裏面に、全部で100個の防災情報が、子どもから大人まで理解しやすいピクトグラムで記載されています。
記載された防災情報は、すぐに行動を促すための「今やっておくこと・今知っておくこと」や、「地震・津波・火山」のようにカテゴリーごとに分けてまとめられています。日常的に受け取っているレシートを上手く使うことで、人々の防災意識の向上へとつなげています。
外国人向け 地震 防災マニュアル│文京学院大学
文京学院大学が開発した「外国人向け地震防災マニュアル」は、訪日・在留の外国人に向けて作成した「地震」への対応マニュアルです。地震に対する防災知識は、私たち日本人にとっては常識かもしれません。しかし、日本に住んでいる、あるいは一時的に訪れている多くの外国人の方々は、地震の存在自体に馴染みがありません。
マニュアルには、文京学院大学の中国人留学生や都内在住の中国人約70名に地震に関する意識調査を行なった上で、万が一に地震に被災した際にどのように行動するのかを、誰にでも分かりやすいインフォグラフィックでまとめられています。
このマニュアルは、外国人が訪れる宿泊先や公共機関などで配布されています。また、これらの一連の取り組みは東京消防庁から表彰されました。
災害時に支援施設となる住宅展示場│株式会社アキュラホーム
株式会社アキュラホームが運営する住宅展示場は、災害時には支援施設として誰でも利用できるように、一時避難所や井戸水、災害用備蓄品などのさまざまな設備が用意されています。災害時にはスタッフが常駐し、災害情報の提供や避難所マップの配布などを行う体制も整えられています。
地域住民の方々にとってはあまり馴染みのない住宅展示場を災害支援施設として開放できるのは、「井戸のある家」「太陽光発電の家」などの災害に強い住宅開発を行ってきた株式会社アキュラホームならではの取り組みといえるでしょう。
まとめ
日本で生活するには、万が一の事態に備えての災害対策が必ず必要です。
昨今では、防災×遊び、防災×スポーツなどのユニークな防災アクティビティから、本来であれば使われなかったポイントやレシートを有効利用した防災サービスまで、幅広いサービス・商品がグッドデザイン賞を受賞しています。
グッドデザイン賞を受賞することで、受賞の証であるGマークが使用でき、企業のイメージアップや製品、サービスの認知拡大の効果が期待できます。
今後ますます関心が高まる防災分野において、画期的な防災サービスを作ろうと奮闘している方も少なくないと思います。その際には、過去にグッドデザイン賞を受賞した製品やサービスを見てみるのもいいかもしれませんね。
防災士監修の防災マニュアル「担当者必見 企業向け防災完全ガイド」とは?
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