日本で毎年のように発生している地震や台風被害。近年は大雨や土砂災害などの発生も増加傾向にあることが報告されています。災害時に車にいるケースも考えられるため、車にも防災グッズを備えておきたいものです。
この記事では、車に載せておきたい防災グッズ15選を紹介します。
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車に防災グッズを載せている人は「約4割」
おとなの自動車保険(セゾン自動車火災保険株式会社)が実施した「自動車と災害」をテーマにしたインターネットアンケート調査では、自家用車所有率が高いとされる40〜50代の男性800人(全国)を対象に、防災に関する意識調査と、災害時における自動車の利用について調査しました。
「災害に備え、緊急用具や防災用具を車に積んでいますか?」という質問では、「とくに何も載せていない」と回答する人が全体の62.4%と最も多い結果になりました。その中でも、非常食や飲料水、携帯用トイレについては車に載せている人が1割にも満たない結果となりました。
災害に備えて緊急用具や防災用具を車に積んでいる割合は、地方よりも三大都市の方が高い割合になり、被災経験者だと半数以上が備えているようです。
車に防災グッズを載せる場合は、車中泊をすることになる可能性も視野に入れた準備が大切です。実際に、2016年に発生した熊本地震では、車中泊を選ぶ人が多くいたようです。
車中泊による健康面のリスクは軽視できませんが、プライベートが確保されるといったメリットから、災害時に車中泊を選ぶ人が多いと考えられます。
こんな人は特に車に防災グッズを常備しよう
以下に当てはまる人は、特に車に防災グッズを常備しておくとよいでしょう。
- 車がないと生活しづらい場所に住む人
- 通勤、通学などで日常的に車を使う機会が多い人
- 最寄りのバス停や駅から遠い場所に住む人 など
これらの人は、日頃から車に乗る機会が多く、車の中で災害に遭う危険性が高いためです。また、熊本地震においては「避難所ではなく車中避難を選んだ理由」として、「ペットや小さい子供などがいて、避難所では気を遣う」と答えた人が全体の27.3%いました。
ペットや小さい子どもがいる人は、避難後に車中泊で過ごすことが選択肢に入りやすいため、車への防災グッズ搭載は必須といえます。
とはいえ、災害はいつどこで巻き込まれるか分かりません。車を持っている誰しもが、防災グッズを常備しておくべきと言えるでしょう。
車に常備したい防災グッズ15選
ここでは、車に常備しておきたい防災グッズをご紹介します。
優先度★★★
(最低限常備しておきたいもの)
- 水と食料
- 手回し式充電器
- 衛生用品
- 応急処置道具
- 暑さ(寒さ)対策グッズ
- 簡易トイレ
優先度★★☆
- 睡眠時の折り畳み式マット
- 懐中電灯
- ゴミ袋
- 脱出ハンマー
- 軍手
優先度★☆☆
- ホイッスル
- 折り畳み式水タンク
- クーラーボックス
- 除菌シート・汗拭きシート
水と食料
救助があったとしても3日間は水や食料が届かない可能性が考えられるため、最低限の水と食料を用意しておきましょう。人間ひとりあたり1日約3リットルの水が必要と言われています。用意する水は長持ちする保存水が良いので保存水を選ぶと良いでしょう。大きなボトルより小さなボトル(たとえば、1Lを1本より、500mlを2本)の方が、持ち出しやすくトイレ用や飲料用など分けて使えるので衛生面からもおすすめです。
食料は傷まない非常食や缶詰め、お菓子などを含むなるべく高カロリーのものがおすすめです。
防災グッズに入れる水や食料は賞味期限があるため、定期的に期限を見て入れ替えをするようにしましょう。
手回し式充電器
車内でラジオやテレビが見れるかもしれませんが、手回し式充電器があればスマホの充電もできるので便利です。手回し式であれば電池切れの不安がない点もメリットです。
衛生用品
被災現場や避難所は衛生環境が悪くなることも予想されるため、感染症などの予防をする必要があります。衛生用品としてはアルコールやマスク、ティッシュなどがあると感染対策にも安心して活用できます。
ティッシュボックスはかさばりますが、トイレットペーパーの芯を抜いてつぶして持ち出せば、コンパクトに収まります。避難生活ではお風呂に入れないこともあるので、身体拭きシートやスプレーシャンプー、歯ブラシセットも用意しておきましょう。女性の場合は、生理用品も衛生用品と合わせて用意しておきましょう。
応急処置道具
万が一災害時にけがをしたら早めの処置が肝心です。放っておくと重症化したり、菌が入ったりする危険性があります。三角巾は、骨折時の固定や、出血時の圧迫、マスク代わりにも使えます。
基本的な応急処置道具である絆創膏、消毒薬、ガーゼなどの最低限の処置道具もセットに入れておきましょう。下痢や腹痛、急な発熱などの体調不良も考えられるので常備薬も合わせて用意をしておくと安心です。
暑さ(寒さ)対策グッズ
車内でも季節によっては寒暖差があるので、暑さ(寒さ)対策グッズを用意することがおすすめです。
コンパクトに折り畳める、防水性や防風性に優れているサバイバルブランケットが便利ですが、寒さ対策には銀マット、暑さ対策にはウィンドーネットなどもあります。
避難所内で体調不良を起こすような2次災害には、自己管理を通して注意しておきましょう。
簡易トイレ
避難場所にトイレがないケースもあります。特に、車中泊ではトイレの場所が離れていて行きづらいこともあるので、家族分の簡易トイレを用意しておくと安心です。簡易トイレは丈夫で、におい漏れもしづらい作りになっています。
折り畳み式マット
車中泊で避難生活をおくる場合、車のシートが固く寝られないこともあります。肩や背中の負担を軽減させるためにも、折り畳み式のマットがあるとよいでしょう。空気を入れて膨らませるタイプのマットを選べば、小さく折り畳んで車のスペースに入れておき、コンパクトに収納できます。
懐中電灯
夜には懐中電灯が活躍します。スマホのライトでも対応できますが、バッテリーが切れる心配があるため、懐中電灯を活用しましょう。懐中電灯は夜間に車外に出る時にも便利です。
防災セットとして常備する際には、電池を消耗させないように、懐中電灯から電池を抜いて車に常備しておきましょう。
ゴミ袋
ゴミ袋も防災セットとして常備しておくと便利です。大きめのサイズのごみ袋は、濡れたものや汚れたものをまとめて入れられます。被れば、寒さ対策や雨除けにも使えます。ゴミ袋はさまざまなシーンで活躍し、折り畳めばスペースを取らないので、防災セットの中に数枚用意しておくと便利です。
ホイッスル
ホイッスルを用意しておくと、脱出が困難な緊急時などに自分の居場所を知らせることができます。助けを求める時に使うため、車の中でもわかりやすく手に届く場所に置いておきましょう。
脱出ハンマー
万が一車内に閉じ込められたときでも脱出できるように、脱出ハンマーを用意しておきましょう。
脱出ハンマー代わりにジャッキやレンチなどの車載工具を代用できることもあるので、事前に車内に揃っているか確認しておきましょう。
軍手
軍手は、災害時にガラスや破片などの危険物を触る時や、車の状態などをチェックする時に便利です。また、軍手は手袋代わりの防寒具としても役立ちます。
折り畳み式水タンク
水が供給された時に水をもらい、ストックできるような折り畳み式の水タンクがあると便利です。タンクのままだとかさばり、車内のスペースも広く使うので、折り畳み式のものを用意しておくと収納にも持ち運びにも便利です。
クーラーボックス
冷やしておきたいものや傷みやすいものを保管できるクーラーボックスもあると便利です。夏場の避難生活では、暑さ対策の氷や冷たいドリンクもすぐにぬるくなってしまいます。熱中症や脱水症状を避難生活中に起こさないように常備しておくとよいでしょう。
除菌シート・汗拭きシート
除菌シートや汗拭きシートもあると便利です。避難生活では、お風呂に入れないこともあるので、身体を清潔に保てるようなシートの用意も事前にしておきましょう。
車の防災グッズは定期的な見直しが大切
防災グッズは、定期的に見直すことが大切です。実際に、株式会社mitorizの「防災への備えに関する意識調査」アンケートモニター調査では、約8割以上が「ある程度の期間で防災グッズを見直している」と回答しました。
防災グッズの見直しでは、ラジオや懐中電灯の動作チェックや、証明書のコピーや連絡先メモの変更がある場合は修正します。水や食料は傷みや腐敗がないか、まだ使えるかどうかチェックをしましょう。
まとめ
車に乗っている時に被災したり、車内で避難生活をしたりするケースを想定して、車にも防災グッズを備えておくようにしましょう。今回ご紹介したアイテム以外にも、家族構成やペットの有無などによって必要になるものや量は異なります。防災セットを準備する時には、何が必要かを事前にリストアップしておくと安心です。
車用の防災グッズがまとめられた、コンパクトな防災セットも売っている場合があるので、チェックしてみてもよいでしょう。いまから災害時を想定して備えておきましょう。
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全国各地を転々と暮らすWebライター。主に、スポーツ、キャリア系メディアで執筆中。
広告代理店勤務時代はオフライン、オンラインイベントを多数企画運営していた経験も。
特技はマラソンで、フルマラソン2時間53分台の記録をもつ。