国内において地震や台風を代表とする大きな災害、それらは人々に直接の被害をもたらすため、一次災害と呼ばれています。また、一次災害による被害は、火災やがけ崩れ、ライフラインの寸断といった、さらなる被害を引き起こす二次災害を発生させる恐れがあります。
しかし、一次災害は突然発生するものであり、対応が難しいとされています。そのため、日ごろから防災意識を高め、災害に備えておくことが重要です。どのような一次災害があるのかを把握しておくことで、日々の防災意識も高まるでしょう。
本記事では、一次災害とはなにか、二次災害とのちがいも解説しつつ、国内で多い災害、一次災害の種類、災害から身を守る方法を紹介します。
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一次災害とは
一次災害とは、地震や台風、大雪、火山噴火など、ある災害によってもたらされる直接的な被害のことです。一連の災害において起点となるため、「はじめの災害」ともいえます。
一次災害の範囲は、例として地震であれば、家や建物の倒壊にはじまり、斜面が移動してしまう地すべり、地盤の液状化などが該当します。
一次災害は予測することが難しく、避難訓練の実施や、防災セットを用意しておくなど、日ごろから災害に対する意識をもつことが重要です。
二次災害との違い
二次災害とは、一次災害をきっかけに連鎖的に発生する災害のことです。一次災害と因果関係があるものが二次災害になるため、その内容は多岐に渡ります。
たとえば、以下の例が挙げられます。
- 地震によって建物が倒壊し、それにより発生する火災
- 台風の大雨で河川が氾濫する
- 火山噴火で土石流が流れてくる
- 大雪で路面が凍結し、交通事故が発生する
このほかにも、災害により電気やガス、水道が使用できなくなるライフラインの寸断や、避難所での心労も二次災害にあたります。また、一次災害がおさまっても二次災害は長引くことがあり、被害も拡大しやすい特徴があります。
一次災害の被害から自然発生するほか、「地震発生時にストーブの火を消し忘れていたことで火災に発展した」など、対応ひとつで二次災害となるケースもあります。
国内で多い災害
日本国内において、発生する災害にも傾向があります。
中小企業庁が公表している「中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革」における「我が国における自然災害の発生件数及び被害額の災害別割合」では、1985年から2018年の間で発生した災害の割合は、台風が57.1%、次いで地震が17.9%、二次災害である洪水が14.7%となっています。
被害額については、広範囲に被害をもたらし、多くの二次災害を発生させる地震が82.8%と圧倒的に多くなっています。
第3部 中小企業・小規模企業経営者に期待される自己変革│中小企業庁
日本国内で台風が多い原因は、日本の南東の海上が、台風のもととなる熱帯または亜熱帯低域圧が発生しやすい場所であるためです。また、発生した台風が太平洋高気圧や偏西風の影響を受けるため、7月から10月にかけて多くの台風が日本に上陸することとなります。
また、地震についても日本の地理が大きな要因となっています。日本周辺には、太平洋プレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレートと、複数のプレートがあります。これらが複雑に絡み合う日本周辺ではプレート同士に複雑な力がかかり、世界でも地震の多い地域となっているのです。
こうしたことから、国内に住むにあたって台風と地震の防災はとくに重要といえるでしょう。
一次災害の種類
ここでは例として一次災害の種類を5つ紹介します。
【一次災害の例】
地震 | 地下にある岩盤が急激にずれることで、地上に発生する揺れのこと。 |
台風 | 熱帯地方で発生した低気圧が発達し、最大風速が17m/sを超えたもの。 |
大雪 | 大雪注意報基準以上の雪のことであり、地域に影響をもたらす恐れのある雪のこと。 |
火山噴火 | 地球の地下で発生したマグマや火山灰が、火山の火口から地表に向かって噴き出す現象のこと。 |
猛暑 | 平常の気温と比べて、気温が大きく高いこと。気象庁の予報用語では35℃以上の気温の場合には「猛暑日」と呼ばれる。 |
地震
地震とは、地下にある岩盤が急激にずれることで、地上に発生する揺れのことです。
家のなかでは激しい揺れによって家具が倒れてくるなどといった怪我につながる可能性があります。また、さらに揺れが強ければ建物の倒壊や、土砂崩れも起こり得ます。
以下は、二次災害の一例です。
火災
ストーブをはじめとした暖房機器が揺れによって転倒するケースや、電子機器や電源コードが破損するケースなどによって火災に発展してしまいます。また、止まっていた電気が復旧したことで、電気機器の電源が入ってしまい、火災に至るケースもあるため、復旧段階に入っても注意を払う必要があります。
津波
津波は、海底の断層に変化が生じると発生し、地震の揺れが大きいほど断層への変化の影響も大きくなります。ただし、揺れの大きさに関わらず津波が発生するケースもあり、小さな揺れでも津波への警戒が必要です。
津波は、建物に浸水すると電子機器に甚大な被害を与え、より巨大な波になると建物ごと流されてしまう危険性があります。
ライフラインの寸断
大きな地震が発生すると、インフラ設備にも影響があり、電気やガス、水道が使用できなくなるといったライフラインの寸断も起こります。
復旧の見通しがすぐに立たないケースも多く、普段から防災セットや備蓄の準備が重要です。
余震
余震とは、大きな地震がおさまったと思っても、その後数回にわたって周辺地域で揺れが発生することです。余震により、半壊していた建物が倒壊するなどの危険性もあり、大きい地震がおさまっても油断はできません。
台風
熱帯地方で発生した低気圧の最大風速が17m/s以上になったときに台風が発生し、7月から10月にかけて日本に接近・上陸します。
台風では、激しい雨風が吹き荒れ、風に向かって歩けなくなり、転倒する人が出てくるほか、看板などが倒れてくる危険性もあります。また、風に煽られてドアや扉に手や指を挟まれるなどの事故も発生しやすくなります。
不要な外出を控え、避難する場合でも状況を見て慎重に行動する必要があります。
以下は、二次災害の一例です。
がけ崩れ
がけ崩れとは、急な斜面が土砂として崩れ落ちてくることです。雨により斜面がゆるくなり、突然大量の土砂が流れ込んでくるため、気づいてから避けることが難しく非常に危険です。
5メートル以上のがけの前や、がけにヒビが入っている場合、がけから小石が落ちてくる場合には注意し、なるべく近づかないようにしましょう。
洪水
大量の雨によって、河川の水の量が増えることで氾濫し、洪水に至ることもあります。
洪水では堤防が破壊され、下水道の水がうまく流れなくなるほか、建物に浸水し、倒壊することもあるなど被害は広範囲に及びます。
地すべり
地すべりとは、斜面の一部、または全部がゆっくりと斜面方向に移動してくる災害です。雨により地盤がゆるむことで発生し、移動してくる量も大きいことから、一度発生したら止めることは難しく、被害も広範囲に及びます。
日本は地質が弱く、台風も多いことから、毎年各地で発生しています。
大雪
冬に冷たい北西季節風が日本海の蒸気を風に乗せ、日本列島の山々にぶつかることで大量の雪雲が発生します。この雪雲から降るのが大雪となります。
日本では国土の半分以上が豪雪地帯に指定されており、大雪による被害もめずらしくありません。
以下は、二次災害の一例です。
雪崩
雪崩とは、斜面上の雪が肉眼で識別できる速さで流れ落ちてくることで、発生に気づいてから逃げることが難しい災害です。山の付近は雪崩が起きる危険性があり、地域住民だけなく、登山やスキー客が被害に遭うこともあります。
全国の2万箇所以上が雪崩の危険個所に指定されており、なかでも急な斜面や、落石が発生する箇所には注意する必要があります。
交通事故
大雪によって路面が雪に覆われると交通事故も発生しやすくなります。
たとえば、路面が凍ってしまうアイスバーンや、雪により視界一面が真っ白になり見えなくなるホワイトアウトに見舞われ、事故につながるケースがあります。
除雪作業中の事故
大雪が積もったあとの除雪作業でも事故が起きやすいです。
具体的には雪下ろしの最中に屋根から落下、また、屋根から落ちてきた雪に直撃してしまうほか、除雪機の事故や、寒い屋外での重労働による心筋梗塞など、雪が止んだあとも十分な注意が必要です。
火山噴火
火山噴火とは、地球の地下で発生したマグマや火山灰が、火山の火口から地表に向かって噴き出す現象のことです。
地震が火山噴火を誘発するケースもあるため、地震後は火山の動向にも注意を払う必要があります。
以下は、二次災害の一例です。
大きな噴石・土石流・火山泥流
火山が噴火するとさまざまなものが噴出します。大きな噴石・土石流・火山泥流などは噴火に伴って発生し、怪我の恐れだけでなく、周辺地域を埋めてしまい、火災にもつながる可能性があります。また、これらは発生から避難までの猶予が短いため危険性が非常に高いといえます。
気象庁が行っている、火山の噴火警報・予報を活用し、事前の避難が重要です。
火山灰による被害
火山から噴出した火山灰は、噴火時に破砕したガラス片や、鉱物結晶片から構成されており、呼吸器系や、目、皮膚といった人体に悪影響を及ぼします。
また、噴出すると数百キロメートル先まで火山灰が飛ぶことがあり、周辺を飛ぶ飛行機の電子機器の誤作動や故障を招く可能性があるほか、火山灰が降り続くことで長期に渡って外出できなくなるといった被害も起こります。
猛暑
平常の気温と比べて、気温が大きく、気象庁の予報用語では最高気温が35℃以上の場合には「猛暑日」と呼ばれます。被害としては、熱中症を引き起こし、年によっては国内で1,000人を超える死者を出すこともあるため、命の危険という観点から単なる「気温の高い状態」という見方だけではなくなってきています。
近年は猛暑日が増えており、これには都市のアスファルトやコンクリートが熱を吸収し、保持する「ヒートアイランド現象」と、地球上に増えた二酸化炭素による「地球温暖化」が原因といわれています。
以下は、二次災害の一例です。
火災
山火事の多くは、人の手による火の不始末が原因となっています。しかし、猛暑によっても森林や地面が乾燥することで自然発火し、山火事を引き起こす可能性があります。諸外国では猛暑による大規模な山火事が発生しており、深刻な問題となっています。
作物の高温障害
猛暑は、人だけでなく、作物にも厳しい環境になり、高温障害を引き起こすこともあります。
高温障害では、作物が大きく実らなかったり、葉が萎れたりするほか、果実類では糖度が落ちたり、花では形や色に不良が出たりといったことが起こります。
その結果、品質の低下や収穫量が減少し、出荷数が減ってしまう事態になります。
災害から身を守るには
一次災害に対して身を守る方法の一例を紹介します。
防災セット、備蓄の用意
災害によってはライフラインが断たれ、電気が点かず、水やガスが使えないということも起こり、救助もいつ来るかわからないということも起こり得ます。
そのため、非常時でも使える懐中電灯や、携帯トイレ、ガスコンロの準備にくわえ、数日か、一週間程度は自足できるように日ごろから非常食や飲料水を備蓄しておくとよいでしょう。
また、赤ちゃんがいる場合など、家庭状況においても必要なものは異なるため、家庭に合わせたものを用意することを意識しましょう。
防災セットの置き場は、たとえば、地震だった場合には倒壊し、備蓄のある部屋に入れなくなるリスクもあるため、可能であれば分散させて置いておくのがよいです。
避難場所の把握
地震や火山噴火、台風といった避難が必要な災害が発生した際の避難場所は事前に確認しておきましょう。
また、その場所へ真っすぐ向かうのではなく、被害状況により経路も変わるため、場所、経路、中継地点をセットで確認しておくことも重要です。
そのほか、避難場所に行く前に一時的に近隣住民が集合して様子を見る「一時集合場所」というものもあるため、地域での有無を確認しておきましょう。
避難する際は、ブレーカーを落とす、ガス栓を締めるといった安全対策や、戸締りをするといった防犯も重要です。
ハザードマップの確認
ハザードマップとは、被害が起こる可能性が高い地域や、実際に被害が発生した際の避難場所・経路・防災関連施設が示されている地図のことです。
地盤や、火山の噴火口、水深や海底の情報など、地域の災害に関連する情報も載せられているので普段から確認しておくと安心でしょう。
各自治体が公表しているほか、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」でも確認できます。
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内容も本格的で、防災を下記の5つのフェーズに分けて、実際の災害における流れを体験し、知識を付けることができます
- 事前準備:災害が発生する前
- 災害発生:災害発生直後から24時間
- 発災直後:災害発生後24時間から72時間
- 避難生活:災害発生後72時間から3ヵ月
- 生活再建:災害発生から3ヵ月以上
ビデオチャットツールを使用し、オンライン環境があれば大人数で参加できます。企業のレクリエーションや、社員研修で実施すれば、社員のコミュニケーションを活性化しながら防災意識を高めることができるでしょう。
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ここまで一次災害について紹介してきました。
一次災害は災害のはじまりであるため、あらかじめ予測することは難しく、日々の防災意識が重要になります。
どのような災害があり、どういった被害をもたらすのか、知識をもっているだけでも、いざ災害に直面した際に少しでも素早く避難行動に移れるでしょう。
個人や企業、そして家族単位で防災に取り組み、自らと、そして周囲の人を守っていきましょう。
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