防災コラム
インタビュー

「有事の際に、他人に想いやりを持てる人を増やしていく」アルファー食品株式会社・今坂美緒

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「有事の際に、他人に想いやりを持てる人を増やしていく」アルファー食品株式会社・今坂美緒

こんにちは!あそび防災情報局です。

このたび、備蓄食料の製造・販売を行う、アルファー食品株式会社の今坂様に、取材を実施しました!

同社の主力食品は、通常のお米より早く調理ができ、災害時の非常食として役立つ食料として知られている「アルファ化米」です。

これまでどのような思いを持ってアルファ化米を作ってきたのか、備蓄食料の製造メーカーという視点から見た日本の防災は何か、など、様々なお話をお伺いすることができました。

サービスの特徴・背景

-現在の活動内容や、そのきっかけ・ヒストリーをお聞かせください。

アルファー食品は、「健康で 便利に よりおいしく」の理念のもと1966年の創業以来、アルファ化米を軸に市場を拡大し成長してきました。市場のニーズをとらえながら、学校給食や総菜、家庭用市場で、簡単でおいしい「お赤飯」や「おこわ」の加工米飯を中心に製造販売していました。

非常食に注力し始めたきっかけは19951月の阪神淡路大震災です。当時、まだ防災・備蓄への取り組みが希薄であった状況下で大地震が発生。アルファー食品として、何かお役に立てる事は無いかと模索しつつ、従業員が使命感を持ってアルファ化米を製造し続けたと聞いています。その活動が認められ、同7月には阪神・淡路大震災救助に対し農林水産大臣より感謝状を受賞しました。何よりも多くの方から感謝の声が寄せられたのが活動の始まりです。

防災用非常食の製造販売を強化し始めて少ししてから、被災地で「配給された食品が食物アレルギーに対応してなく困った」などの声を聴く機会がありました。食物アレルギーは心身に影響があり、場合によっては生命をも危機に至らせます。企業として取り組むにはリスクが高く社内議論は紛糾しました。しかし、食物アレルギーに配慮した非常食が困っている方々に手を差し伸べる事が出来るならと決断。今では食物アレルギーに配慮した非常食はよく目にしますが、当社は「食物アレルギーに配慮した防災用非常米飯食のパイオニア」と言っても過言ではありません。2019年には増え続ける食物アレルギー疾患の方に配慮し、安心米シリーズ全種類を特定原材料等(アレルギー物質)不使用商品にリニューアルを行っています。

さらに、「SDGs:誰も取り残さない社会」を目指し、ハラル認証を取得することでグローバル化の流れによるイスラム教徒の方への配慮や、UDF(ユニバーサルデザインフード)認証を記載し、そしゃくが困難な方へ配慮した商品開発など1つ1つ出来るところから活動を強めています。

Halfest Tokyo2018に出展 NPO 法人日本アジアハラール協会理事Dr. サイード・アクター氏と

 

★アルファー食品株式会社様のホームページはこちら

日本の防災の課題

しんじゅく防災フェスタ2019 安心米(長期保存食)をおいしそうに食べている様子

 

-日本の防災の課題はどんなところにあるとお考えですか?

数年前までは、公助(税金を活用した役所など公的機関での備蓄)に頼る消費者が大半でした。しかし、いざというときにすぐに支援物資が届くわけではないことなどからも、自宅での備蓄(自助)を内閣府等様々な機関から促されています。国からの啓蒙活動が行われている中で、私が想う防災の課題は3つです。

ここ最近では、多発する自然災害の被害のニュースを目にすることで、どこか他人事のように捉えていた方も自分自身による備蓄をされる方や備蓄について考える方が増えていますが、まだまだ他人事の方が多い。これを自分事に置き換えていく取組が1つ目の課題です。

そして、自助だけではなく身近な地域・住民ぐるみで助け合う「共助」を作り上げて置く事が2つ目の課題です。自宅だけでなく町内やマンションなど範囲を広げる。小さなコミュニティから次第に輪を広げていく取組です。まずは、災害を自分事にそして自分達事に出来るかが課題です。

最後に、防災・備蓄を継続し続ける仕組みを作る事が3つ目です。忘れることなく、飽きることなく、苦しむことなく継続し続けられる取組が出来るかが課題です。

これから行っていきたいこと

「防災イベント交流会」~明治屋が缶がえる災害への備え~ 明治屋×カゴメ×アルファー食品 長期保存食 アレンジレシピ

 

-これから行っていきたいことはございますか?

どんなときにも、1人でも多くの人においしいご飯を届けていきたいと考えています。日常でおいしいご飯はもちろん、楽しくうれしい記念日や、いつもと違う旅行やアウトドア、そして非常時のいざという時にも、誰にでもおいしいご飯を届ける。それが、アルファー食品が皆様のお役に立てる最大限の取り組みと考えています。

「防災イベント交流会」~明治屋が缶がえる災害への備え~ 試食の様子

 

アルファー食品はお米を主原料として扱う食品メーカーです。非常食だけでなく、「お赤飯」や「おこわ」などを含め、ご飯のおいしさを追求してきた会社です。学校給食や日頃の活動を通じて、お米を主体に日本の食文化の伝承や普及を担っている当社だからこそ出来る「防災」をテーマにした発信をSNSやイベントなどを通して行っていきたいと思っています。

当社のみでなくほかの企業様や学校、団体など、輪をもっともっと広げていきたいです。

今坂様にとって防災とは?

しんじゅく防災フェスタ2019 出展ブースの様子

 

-今坂様にとって防災とはどのようなものでしょうか?

防災とは備える事だと思います。これは普段から意識をして「知識」「モノ」「気持ち」を備えるという事です。有事の際には、心が乱れます。備えがないと余裕がなくなり、人にも優しくできず、人を助けるなどは出来るはずもありません。有事の際に、他人に想いやりを持てる人を増やしていく。私の防災活動とは「知識」「モノ」「気持ち」を1人でも多くの人に「備える」を促す働きかけを行う事。それが、被害を最小限にしていく事になると考えています。

活動のビジョン

ラジオ(JFN)『日本カワイイ計画。 with みんなの経済新聞』パーソナリティ:高橋愛さん(元モーニング娘。)、シブヤ経済新聞編集長の西樹(にし たてき)氏と

 

-現在の活動に対するビジョンを教えてください。

小さなことから1つずつ。それが大きな輪になって仲間が増えていく事を期待しています。

まだまだ数年の活動ですが、様々なイベントを実施・参加してきました。

  • ある自治体の防災イベントでお子様からご高齢の方に安心米を食べていただく
  • アウトドアのイベントで実際に登山してきた方に企業コラボした「登山飯」をご紹介する
  • 複数の食品メーカーコラボでメディアの方のみをご招待し防災の大切さやアレンジレシピによる広がりを発信
  • SNSやラジオ出演で備蓄の大切さやローリングストックの促し
  • お酒にあう防災用非常食のアレンジレシピの提供により楽しみながら食べていただく

 

すべての活動・イベントに共通して、楽しさやおいしさがないと受け手が興味を持っていただけないので、まずは楽しそう、おいしそうと思っていただけるような下準備を大事にしています。同じ料理でも盛り付け方や写真の撮り方によって全く違う印象になってしまうので、防災というハードルを少しでも低くするべく、まずは「おいしそう!」と興味を持っていただき、そこに楽しさのエッセンスを加えていけるよう努力しています。

あそび防災プロジェクトに期待すること

-「あそび防災プロジェクト」に期待することはございますか?

まだまだ防災についてのハードルを高く感じている方も多いので、身近なものの活用の仕方や効率的な備蓄の仕方など楽しみながら体感的に学ぶこと、学んだことをさらにほかの方に発信いただくような仕組みを期待します。

当社の防災用非常食「安心米」も備蓄だけではなくアウトドアや普段の食事としても楽しみながら食べられるレシピ紹介をすることで、ご家庭でのローリングストックを促せたらと思います。

YAMAP(登山アプリ開発・運営)開催『山ごはんフェス』にてカゴメと共同出展し長期保存食による山ごはんメニューご紹介の様子

 

いざというときに、「おいしいものが自分にはある」と思うだけで、ストレス緩和につながる一助となります。この「あそび防災プロジェクト」に参加させていただき、防災用非常食をまだ食べたことがない方、食べたけれどあまりおいしくなかった……という方にぜひ食べていただき「こうやって食べたらおいしかった!」「おいしかったから誰かに広めたい」と発信いただき、ご自分やご家庭に合った食料備蓄につなげていただきたいと思います。

まとめ

「おいしい」は、一見「防災」とは関係のない言葉のようにも思えます。

しかし、今回の取材を通し、「おいしい」という感情は、緊急時にも安心感を与え、あたたかい気持ちを呼び起こしてくれる、非常に大切なものだと感じました。

また、「おいしそう!」というプラスの感情から防災への興味を引き出したいという今坂様の思いには、「楽しい」を起点とした「あそび防災プロジェクト」と共通するものを感じました。

アルファー食品株式会社様は、災害時だけなく、日常から楽しめるような食品の開発を積極的に行っていらっしゃいます。いざというときにも食事を楽しめるよう、ぜひ商品ラインナップをチェックしてみてください!

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