いつどこで発生し巻き込まれるか分からない災害。災害が起きたときに備えて、大人だけではなく子供用の防災グッズも事前に備えておくことが大切です。
防災には、以下の3つの「備え」が大切といわれています。
- 0次の備え……普段から常に身につけておくもの。
- 1次の備え……災害発生直後に自宅から持ち出す必要最低限の備え。非常用持ち出し袋ともいわれ、避難所までたどり着くために「軽さ」も重要。
- 2次の備え……災害や避難生活が長期化した場合の備蓄。1週間分用意できるのが理想。
本記事では、0次の備え、1次の備えそれぞれのケースで、子供に持たせたいおすすめの防災グッズを、子供の成長段階にあわせて紹介します。
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- 目次 -
【0次の備え】普段から子供に持たせる防災グッズ
0次の備えとして、持たせたいグッズを紹介します。普段から持たせることで、災害時に限らず事件や事故に巻き込まれた時にも安心です。
小学校(低学年)の子供がいる場合
小学校の低学年は自分で状況を説明できない年齢のため、情報(緊急連絡先・自分の情報・何をしたらいいかが分かるメモ・家族の写真など)を持たせておきましょう。あわせて、何かあった時には周囲の人に見せるように伝えておくことが大切です。
防犯ブザーは、居場所を示したり助けを求めたりする際に活用できます。
小学校(高学年)~中学生の子供がいる場合
小学校の高学年は現金を使える年齢なので、上記の「情報」に加えて、「現金(小銭)」を持たせておきましょう。万が一の時に、必要な食料や備品を買うことができます。紙とペンがあると、情報の伝達や連絡を残すことにも活用できます。女子であれば生理用品も防災グッズに入れておきましょう。
【1次の備え】非常時に子供に持たせる防災グッズ15選
非常時に持ち出すための防災グッズは、防災リュックに入れて用意しておきましょう。大人用の防災リュックとは別に、子どもが背負える大きさのリュックを「非常持ち出し袋」として、災害時に持ち出して避難できるように準備しておくと便利です。
非常時の防災グッズの中身は、身体の小さな子供が非常時にも持ち出しやすいサイズや重さになるように調整する必要があります。防災グッズをまとめるバッグ自体も軽量なものを選びましょう。
※非常持ち出し袋とは……大地震、津波、火災、台風、土砂災害など、物理的な破壊力があり、今すぐ避難しなければ命に係わる状況で、持ち運んで逃げるために必要最低限のものを入れておく袋のこと。
基本の防災グッズ
子供は環境の変化や災害の恐怖による影響を受けやすいといえます。身を守れるグッズに加えて、少しでも災害の影響やストレスを軽減できるグッズの用意が好ましいでしょう。
ここでは、子供用の「非常持ち出し袋」に入れたい基本の防災グッズを紹介します。
水
自宅避難(2次の備え)では人間に必要と言われている「3リットル/1人1日」の飲用水を用意したいところですが、「非常用持ち出し袋」に入れて持ち歩くとなると、重すぎて避難が遅れてしまう可能性があります。非常用持ち出し袋には、1.5リットル程度を500mlのボトルで用意すると便利です。子どもが持ち運べて動ける重さの範囲内で調整しましょう。長持ちする保存水を選ぶと管理に手間がかかりません。
非常食
傷まない非常食や缶詰め、お菓子などを含むなるべく高カロリーのものを用意しましょう。
災害というストレスや、普段と違う避難所での生活に子供はストレスを感じやすいので、食べ慣れているものを用意すると安心につながります。子供の好きなおやつやレトルトカレーなどもおすすめです。
着替え
季節に合わせて、衣類や下着もいれておきます。寒いと体力を消耗してしまうので、防寒具や雨具なども入れておくことがおすすめです。
救急用品や常備薬
災害によるけがや避難所で体調を崩すこともあるので、救急用品や常備薬を揃えておきましょう。大人と比べて体力が少ない子供は、悪化や急変の懸念もあることから処置や対応が早めにとれるようなアイテムを用意しておくことが重要です。
子供用のヘルメットや軍手
地震の後に物が崩れるなどの二次災害が起こる可能性があるので、災害から身を守るヘルメットや軍手があると便利です。避難所などで用意があっても大人用のものでサイズが合わないこともあります。サイズが緩すぎると落下物が当たった衝撃や強風に煽られて脱げてしまう可能性があるので、子供用のサイズのものを用意しておきましょう。
ウェットティッシュや除菌ジェル
避難所では人も集まるので感染症の蔓延を防ぐアイテムがあると便利です。避難所でお風呂に入れない可能性もあり、不衛生な環境による子供の不快感やストレスを軽減させるため、身体が拭けるタイプのウェットティッシュがあるとよいでしょう。感染症予防のためにも、マスクが役立ちます。
懐中電灯やヘッドライト
暗い中で出歩いたり移動をしたりする場面もあるので、手に持って移動ができる懐中電灯やヘッドライトを用意しましょう。ヘッドライトは頭にもつけられ両手が使えるので便利です。電池切れに備えて、予備の電池も入れておきましょう。
簡易トイレやおむつ
避難所はトイレが少ないこともあるので、子供がトイレを我慢してしまうこともあります。簡易トイレやおむつがあると安心です。
ビニール袋
汚れたものを入れたり、ものをまとめたりする時に役立つのがビニール袋です。かさばらないのでいくつかまとめて防災グッズに入れておきましょう。
【小学校 低学年の子供用】基本の防災グッズに追加するもの
小学校低学年の子供は、災害時に大人よりも戸惑い不安やストレスを感じやすい可能性があります。小学校低学年の子供が背負えるサイズの防災リュックに追加したいグッズを紹介します。
お気に入りのおやつ
好き嫌いの多い子供は避難所で配られる食事が食べられないこともあります。お気に入りのおやつや食べものを入れておくことで、ストレスを緩和できます。
おもちゃや絵本などひとりで楽しめるもの
不安も大きく暇な時間も多い避難所生活でのストレスを軽減させるために、お気に入りの本やおもちゃを用意しておくことがおすすめです。
ゲームなど友達と遊べるもの
避難所で友達と過ごす時間に一緒に遊べるようなゲームがあるとよいでしょう。友達とコミュニケーションをとるきっかけにもなり、避難生活において気分転換になります。
【小学校 高学年の子供用】基本の防災グッズに追加するもの
小学校高学年の防災リュックに追加したいグッズを紹介します。
貴重品(母子手帳、通帳、お金)
常に防災セットに入れておくことは難しくても、子供がすぐに持って出られるように、どこにあるかを事前に伝えておくことが大切です。
生理用品
女子の場合、小学校高学年になると生理をむかえる子も出てきます。一周期分の生理用品は備えておきたいですが、持ち運びに便利なコンパクトな商品を選びましょう。
本や勉強道具など、集中できて気がまぎれるもの
小学校の高学年は、本や勉強道具など集中して気が紛らわせるものを用意しましょう。自分の世界に没入したり、何かに集中したりすることで気分転換にもつながります。
中学生以上の子供がいる場合
中学生以上の子供は、基本的にそろえる防災グッズは大人と同じもので問題ありません。大人用のものと同じ防災セットを一人分追加しておきましょう。防災セットはあまり大きすぎると子供の身体に合わず、むしろ避難の邪魔になってしまいます。子供の身体に合ったサイズや重さを選びましょう。
災害時に備えて日頃からできること
防災について家族で話し合っておく
子供と一緒に、災害の種類や場所ごとの対応方法、地域の避難場所やハザードマップの確認、連絡手段やルール、防災グッズや貴重品の場所の確認などをしておきましょう。保護者がいない状態で災害が起きたときに戸惑わないように、地震が来たら机にもぐる、どのルートで逃げると安全か、などの適切な対応策や避難方法を教えておくことも重要です。学校の避難訓練だけではなく、家庭の避難訓練も実施することがおすすめです。
防災訓練や遊びの中で防災を学んでもらう
とっさの行動がとれるように、日頃から防災意識を高めておきましょう。教材や素材を使って遊びの中で取り入れるなど、子供が楽しく学べるような工夫をしましょう。
防災グッズは定期的に見直す
特に非常食や水などは傷んでしまう可能性があるので、定期的に見直しましょう。日常的に使っているものを避難リュックなどに入れておき、見直しの際に消費していく「ローリングストック」の方法がおすすめです。懐中電灯の電池切れのように、「いざという時に使えない」という事態を避けるために定期的なチェックが重要です。
まとめ
大人の防災グッズと共通するものも多いですが、子供のために用意すべきグッズも多くあります。子供用の防災グッズ・防災リュックは特に、避難時にも持ち運びやすいものを用意しましょう。
また、防災グッズの備えはもちろんですが、日頃からできる防災を子供と一緒に話し合い、いざという時に備えることが大切です。
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全国各地を転々と暮らすWebライター。主に、スポーツ、キャリア系メディアで執筆中。
広告代理店勤務時代はオフライン、オンラインイベントを多数企画運営していた経験も。
特技はマラソンで、フルマラソン2時間53分台の記録をもつ。