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いつくるかわからない大地震に備える!企業が取るべき防災対策を紹介

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いつくるかわからない大地震に備える!企業が取るべき防災対策を紹介

首都直下型地震が今後30年以内に70%もの高確率で発生すると言われています。いつ大地震が起きるかわからない状況では、一般家庭同様、企業も強固な防災対策をとらなければなりません。今回は大地震などの災害に備えて、企業が取るべき防災対策を紹介します。仕事で会社の防災担当を担う方にとって、有益な内容が含まれているのでぜひご一読ください。

地震などの防災対策の必要性

災害を想定して企業が行うべき取り組みを企業防災と呼びますが、企業防災は企業の義務です。まずはなぜ企業が防災対策を取らなければならないのか紹介します。

企業には「安全配慮義務」が法的に定められている

企業には従業員が安全に働ける環境を整備する「安全配慮義務」が定められています。その根拠は労働契約法の第5条で、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と記されています。使用者が安全配慮義務を怠ったことが原因で、労働者が損害を被ってしまった場合、損害賠償責任が発生してしまう可能性もあります。

労働契約法|厚生労働省

条例でも企業に対して防災用品の備蓄を求めている

地方自治体が規定する条例でも、企業に対して防災用品の備蓄を求めている場合があります。例えば、東京都には東日本大震災を契機に制定された「東京都帰宅困難者対策条例」が存在します。東京都帰宅困難者対策条例では企業に対して、非常時に従業員が施設にとどまるために3日分の備蓄品の監理を努力義務としています。努力義務なので絶対にしなければいけないわけではないですが、万一の際に条例違反を問われないために、そして従業員の命を守るために、必要な分の防災用品を準備しておきましょう。

東京都帰宅困難者対策条例|東京都防災ホームページ

従業員の安全を守るために取るべき地震などの防災対策

企業が取るべき防災対策は、大きく「従業員を守る対策」と「事業継続」の2つの観点に分かれます。ここでは従業員を守る対策として、企業が取るべき具体策を解説します。

災害行動時のマニュアル整備

災害時の行動マニュアルの整備は絶対的必要事項です。しかしはじめて防災対策を実施する方にとっては防災マニュアルにはどのような内容を含めるべきか、疑問を抱くケースもあるでしょう。もし何かを参考にしたければ、愛知県防災局が阪神淡路大震災のときに制定したマニュアルの手引きが分かりやすいと評判なので、ぜひご活用ください。

愛知県 防災安全局(「家庭・地域の防災対策」>「企業防災」>「事業所のための『防災マニュアル』作成の手引き」より、Wordファイルをダウンロードできます)

備蓄品の準備

先程紹介した東京都の条例では従業員1人当たりに必要な備蓄品の数量を、以下のように規定しています。

〈3日分〉

  • 水:9リットル
  • 食料品:9食
  • 毛布:1枚

 

備蓄品の食料品として、代表的なものがカンパンやアルファ米です。これらの食料品は調理の工程が必要なく、炭水化物のためお腹に貯まりやすい特徴があります。栄養の偏りを防ぐために、他にも魚介類や肉類の缶詰、野菜ジュースなども常備しておくと安心です。水を含め、食料品は、劣化を防ぐために直射日光から遠ざかった場所で保管しましょう。

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耐震構造の補強措置

工場や事業所の耐震化は、地震被害防止策の中でも最も重要な位置づけを占めます。建築基準法の耐震基準に則っていないと、地震で建物が崩壊してしまったら、企業側の落ち度を問われ、多額の損害賠償が必要になってしまうかもしれません。社屋や事業所が地震に耐えうる耐震性能を持っているかどうかは素人目では判断不可能なので、専門家である建築士に依頼する必要があります。法改正によって建物の耐震基準は変わるため、既存建物が新たな耐震基準を満たしていない可能性もあるので注意が必要です。

自治体との連携

企業単体では災害対策がうまくいかない可能性もあるので、地域との連携を図りましょう。地域との連携を図るとは、具体的には自治体との「地域防災協定」の締結を指します。防災協定の内容は協定を結ぶ企業と自治体との間で個別に決定できるので、「災害時に店舗に対して、医薬品・日用品の供給を要請する」といったことが可能です。

事業を継続するための地震などの防災対策

災害に見舞われてまず考えるべきは従業員の安全ですが、同時に事業の継続は可能かという点も考える必要があります。災害時に事業を継続するためにとるべき防災対策を紹介します。

バックアップ体制の確保

建物崩壊などによりパソコンが壊れてしまったら、業務遂行のために必要な電子データ等が吹き飛んでしまいます。そうならないために、日頃からバックアップ体制を確保しておきましょう。バックアップの方法としておすすめは、クラウドへの保存です。災害時を見据えて、通常業務で使用するデータはクラウドへ保存できる体制を整備しましょう。

事業継続計画(BCP)の策定

事業継続計画とは、企業が災害やテロ行為等の緊急事態に遭遇した場合に備えて、中核事業の継続もしくは早期復旧を可能にするために、緊急時にとるべき事業継続の方法や手段を定めておくことです。

事業継続計画の特徴は優先的に復旧が必要な中核事業を特定し、中核事業の継続・再復旧に重点を置く点になります。災害等の緊急事態で事業が傾いた時に、すべてを立て直そうとするのは、無理な話です。現実的な策としては企業が営む複数の事業のうち、最も重要・大事な中核事業を特定し、中核事業を守り通すことです。

事業継続計画の策定によるメリットは緊急時にどう行動すべきか分かるという他に、取引先や消費者からの信頼向上につながる側面もあります。緊急時の対応がしっかりと整っている企業は、対外的な評価が高くなります。企業のコンプライアンス違反が次々と明らかになる昨今、事業防災計画があるというだけでもセールスポイントになります。

BCP計画の策定手順

効果的なBCP計画を策定するには、守るべき手順が存在します。BCP策定のための具体的な手順をチェックしましょう。

中核事業の設定・分析

まずは企業にとって何が最も重要な業務なのか、中核事業を特定することからはじめましょう。中核事業の策定基準としては、

  • 売上が最も出ている事業
  • 納期に遅延すると致命的な損害が発生する事業
  • 企業の社会的評価の維持に重要な事業

 

上記の観点から自社事業をチェックしてもどの事業を中核事業に据えるべきか判断つかないなら平常時の3割程度でしかリソースを割けないと仮定して、それでも継続すべき事業は何か考えてみてください。

リスクの洗い出し・代替案の決定

次の段階に実施することはリスクの洗い出しです。あらかじめどのようなリスクが起きうるのか見極めなければ、具体的な対処法をとることはできません。リスクの洗い出し作業で重要なポイントは、想定できるリスクは全て列挙することです。例えば、以下のようなリスクが考えられます。

地震、台風、火災、サイバーテロ、システム障害、事件・事故、インフルエンザなどの伝染病、洪水、地盤沈下

洗い出しだけでなく、リスクごとの優先順位まで決められるとベストです。リスクの洗い出しが終わったら、中核事業を復旧させるための具体策(代替案)を定めます。各リスクに対して考えられる対策はいくつも挙げられますが、選定の基準として「一定の時間内に一定のレベルまで復旧が可能な策か」という視点で考えると、実現可能な策を構築しやすいです。

発動基準の明確化・体制の決定

代替案まで決定できれば、最後に行うべきは発動基準の明確化・体制の決定です。発動基準の明確化とはどのレベルまでダメージを受けたら体制に突入するかという点を指し、体制の決定とは非常時のチーム体制や役割分担のことです。この2つが明確ならば、社員は混乱せずにスムーズに体制に突入可能です。

まとめ

企業が地震などの防災対策として行うべき事項を紹介してきました。企業の防災対策は義務なので、確実に行わなければなりません。企業が取るべき防災対策は「従業員を守る対策」と「事業継続のための対策」の2つに分かれます。本記事で紹介した施策は全て重要なので、できればすべて行いましょう。BCP計画の策定は中核事業の特定からはじまるので、全社規模で検討を加える必要があります。

企業防災については、こちらの記事もぜひお読みください。

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